霧のミルクも来てた。1970年
何十年も保管してきた『芸術新潮』を整理しているうち、一瞬、「要らないなあ・・・」と思い、名残惜しくパラパラとページをめくるたびに虜となったのが、あの、谷内六郎さんの特集でした。
2001年5月号には谷内さんの全てが埋まっているように思い、この号は捨てるわけにはいかない・・・、と感じ、とっておくこととなりました。
この水彩画は週間新潮1970年4月11日号の表紙で、『霧のミルクも来てた』と何ともシュールな題名がついています。現実と幻想の橋渡しでもなく、郷愁的・抒情詩的というものでもなく、この作家の持つ誰にも真似ることのできない感性の発想を定着させたに過ぎないのですが・・・。季節・時間・温度・湿度をなぜこのシンプルな画風に封じ込めることが出来たのか・・・、それだけが不可解なだけであります。
きっと何か意図的なことがあるのに違いないと感じていても、そのことを勘繰る私の卑しさをあらためるしかないのが、この傑作でしょうか・・・。
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コメント
懐かしい画家の絵です、ふと思う、この絵を額縁に入れるとすればどのような額が納まりが良いのだろう?
投稿: JP | 2011年4月11日 (月) 午後 04時38分