父の絵・神田川から高井戸を望む。
杉並区久我山の自宅北側の崖から高井戸方面を望む父の神田川の絵には1972年と書かれてました。私は1970年には既に護岸工事が始まっていたと思ってましたが、この絵からして工事は、1973年以降だったのです。
遠くの左手に、ぼやけた垂線がちょこんと見えますが、これは高井戸清掃工場の煙突です。この崖からの眺めは実に気分爽快で、毎朝朝日がこの絵の正面から昇ると雑木林が逆光で輝き、土手の斜面に影が流れ、とくに新緑の頃は、葉のライムグリーンが目を射すような鮮やかさでした。右の黒く塗られた辺りは大蔵省印刷局グラウンドの裏手で、関係者以外立入禁止でしたから、雑木林が欝蒼としていて落葉も堆積している中、子供の頃は見つからないよう探検に出かけ、アケビや野いちごなどを採っては食べたりすることも出来ましたし、この界隈の住民だけが知っていることとして、春には片栗の花が群生し、みごとな色彩が展開してました。神田川左手の土手辺りも、まだまだ長閑な田園風景でしたが、しばらく経つと京王・井の頭線の操車場がこの画面の左手にも進出して、威勢のよい整備員の昼休みのバレーボールの歓声などが聞こえてくるようになりました。
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