1941 梅と紫陽花 鈴木信太郎
かなりの季節の前倒しですが、正統的静物画として大好きな一枚です。
昭和16年http://www001.upp.so-net.ne.jp/fukushi/year/1941.htmlこの年の12月8日、真珠湾攻撃で太平洋戦争が勃発しましが、6月頃に描かれたこの画風からは日本を取り巻く状況とは一線を画し、自分の感性の趣くまま、ひたすら純粋に美しい絵を描いた画家のいたことの証明というものが読み取れます。
この絵のタイトルを知る以前、相当長きに亘り、梅を桃と勘違いしていたのですが、どう観てもメロンとの対比からして梅には見えませんでした。
この紫陽花の量感がみごとです。花びら同士の間の隙間など描こうとしても描ききれるものではないのですが、鈴木新太郎さんは、あっさりと描いてしまいました。
全体の画趣からは、家具材の薫りまでしてきそうな、昭和10年代のちょっとモダンな和洋折衷住宅が想像されます。
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