アルフレッド・ウォリスの絵
さぞかし、難しい航路だったのでしょう。灯台と岩の間をすり抜けるように進行している漁船に乗って漁師としての仕事をしながら、鮮明に焼きついた海の様子を、描いています。
この絵もその辺りに落ちていた厚紙にチョークと油彩で描かれた一枚ですが、珍しく荒れた海に翻弄されているような状況が克明に記録されています。殆ど船を水平に描くことの多いウォリスさんですが、よほど波のうねりにさんざんな目に遭ったのでしょう・・・。船首をが上に上りきって今にも落下しそうな一瞬が、スローモーションのように感じます。体に記憶された時間と状況を鮮明に表現できる稀有な才能があったからこそ、格別な絵画教育をいけなくとも、ここまでの作品が誕生したのです。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント