和食器三昧
カジュアルでヘルシーな生活観が定着して以来、多様な使い勝手ができる和食器が、様式的な洋食器を飛び越え、とくに若い世代に人気が爆発しています。
都内の寺・神社境内で定期的に開催される骨董市の人気でも、和食器は古布と双璧の人気の王座は揺るがないようですが、私は、数多く存在する日本陶磁器の中で、白磁と呉須のシンプルな普段使いの寸法の皿・小鉢に、ピンとくるものがあると、脚を止めてしまいます。呉須にもピンからキリまであるものの、天然呉須は極々僅かで、その値段も驚愕価格ですから、焦点はどうしても、その図柄になってしまいます。花鳥風月の具象柄も捨てがたいのですが、料理の邪魔をしない・何を載せてもオーケーという点では、抽象柄に軍配が挙がります。
江戸末期の洒脱なトリミングの絵付け皿を観ていると、この国の嘗ての職人の感性・技能・技術の冴えに感心するのみであります。
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