ノーマン・ロックウエル 家出
Runawayと題された、ノーマンさんの挿絵です。兄弟とのちょっとしたいざこざから、家を飛び出したものの、地域コミュニティがしっかりしているこの町では、大人がきちんと子供を見守っているようで、お巡りさんが男の子を優しくダイナーに連れて行って、大好きなソーダ水を飲ませて、店主と一緒に、ことのいきさつを聞きつつ相談に乗っている・・・、といった状況でしょうか。
床に置かれた布には何が入っているのでしょう。大好きなベースボールのグローブか、それとも、野宿をするための最小の荷物なのか・・・、小さい頃から独立心を育むアメリカの教育視線を、ちょっと斜め目線から捉えた秀作です。
ジーンズの素材感、当時は大人も子供も同じような髪型だったクルーカットの毛の流れ、右手カウンター奥に見えるパイレックス・パーコレーターなどなど、ディテールがたまりません。
ペンキで塗られたような店舗空間とみごとにマッチした、1958年・Saturday Evening Post 9月20日の表紙の原画です。
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