帯の文様もここまできているとは・・・。
日本の伝統文様を調べていると、百済からもたらされた仏教美術・仏教建築に携わる技術集団が来日し、奈良時代には国際的な多彩な意匠が登場します。その後、平安時代に入ると、日本独自の美意識と構成による優美で情緒的な文様が生まれ、鎌倉・室町時代には武士階級の勢力拡大に伴い知的で構成的な意匠へと変わっていき、安土・桃山・江戸と変るにつれて、外国意匠の取り入れ、斬新な琳派の登場、町人の洒落を採用するなどなど・・・、狭い世界でありながら、その時代背景と密接に繋がっていることを改めて感じ入ったのであります。
昨年、ホテル・オークラの衣裳室を見学する機会があり、日本の伝統美が最も凝縮されている帯の奥深さを再認識させられました。京都の帯も斬新な琳派文様が定着し、留袖とのコントラストもますます、アバンギャルドであります。方や、伝統的雪輪文様も通年の縁起良い記号として定着し、輪郭線の中に宝づくしが盛り込まれるなど・・・、普段あまりご縁のない世界も、時代の流れを受け入れて進化しているのであります。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント