帷子:サントリー美術館蔵
余白を残すよりも埋め尽くしたい・・・、という思いがぎりぎりのところで野暮にならず華やかで愛らしく留まっています。
夏の小袖である帷子(かたびら)は、涼しげな麻生地の白さに散りばめられた絞り染めと刺繍のコントラストが生地表面に微妙な陰影を生み、全体はキリッと締まっています。この帷子を着こなすにはシャープな顔立ちと鍛えあげた体形でなければ受け付けてくれないような気迫があります。
昨今の着物レンタルの隆盛など着る者を選べない分野では、この帷子コピーがあったとして、似合わないお方が選んだとしたら大ひんしゅくを買いそうでありますね・・・。
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