明治末期 帝国劇場 警視庁
もし、この威風堂々たる西欧建築が現存していれば、自転車徘走しながら立ち止まっていると、職務質問でもされそうな威厳のあるゾーンですね。
明治末期の日比谷通り、帝国劇場と桜田門の移転する前の警視庁の姿を馬場先門・凱旋道路から撮影、彩色された東京名所絵葉書です。帝国劇場は1911年(明治44年)、横河民輔の設計により落成、関東大震災でも持ちこたえ、1966年(昭和41年)に谷口吉郎の設計で現在に至ってます。方や、赤煉瓦の警視庁は関東大震災で壊滅、1931年(昭和6年)に現在地で新庁舎落成。尚、この絵葉書の警視庁の場所には、現在、第一生命があります。
今も御堀の涼風は一年中爽やかで、柳並木の優雅な動きとともに、周りの喧騒を忘れさせてくれます。御堀側の歩道は人通りも少なく、ふと、エドワード・ホッパーの都市の寂寥感が脳裏をかすめます。馬場先門からの眺めは建物が近代化してしまった以外、ほぼこの雰囲気が守られていて、皇居石垣との対比は、渋いものがあります。
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