1937年 千駄木
写真:木村伊兵衛
日本の生活のメリハリを司っていた四季の移ろいは、二十四節気http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/24doc.htmのように細分化され、小まめに切り替えていた暮しの知恵も、今では、すっかり様変わりしてしまい、街の風情も通年変らずといった様相ばかりです。
木村伊兵衛さんが撮った昭和10年 http://www001.upp.so-net.ne.jp/fukushi/year/1937.html 、文京区千駄木商店街の様子は、女性の着物姿がお約束の季節柄を周囲に振りまいて艶やかです。いかに旧暦から新暦に変えるなど明治以降の欧化の波が浸透したとはいえ、庶民はまだまだご一新前の生活習慣を継承していたのです。鮮魚屋さんですから、今と違って生臭さも強烈なようですが、この艶やかさのお蔭で帳消しですね・・・。
この頃、日本国の進路に警戒をもつ諸外国は大使館付の諜報部員をもぐりこませ、密かに市井の生活をも詳細に報告していたようですから、この街にも外国商品の店を商いながら、キョロキョロしていた御仁も居たのかも知れません。
この20年後には松下電器チェーン店も全国に広がり、テレビも(一般的ではないとしても)出回るようになるなど洋風生活の大衆化が押し寄せ、高度成長に向いひた走りとなっていきます。
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