デュフィにしては珍しい収穫期の田園をモチーフとした1948年から翌年にかけての作品です。デュフィ独特の単純化した線と大胆な構成が、確かなデッサン力をみせ、牧歌的風景をモダンなデザインのように見せてくれます。
この作品はポール・バレリーの『田園詩』の挿絵のひとつでありますが、ファッションイラストレーターとしての経験が、着ている衣服のニュアンスにも生かされているようです。
どんな作品にも、ちょっとした細部に細かな職人芸のようなこだわりがありながら、ひとつの洗練さとデザイン性を垣間見ることができるからこそ、私はデュフィから目がはなせないのであります。
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