大正時代の日本の絵画には海外留学した画家以外、独特の重厚感のあるものが多く、この石井伯亭の描く松江の蔵の風景にも、コンテとグアッシュでのびのびと描かれているものの、重さと暗さが表れています。この暗さが、昭和初期まで日本絵画の一方の旗頭となっていて、今も、この暗さを求める絵画フアンも、少なくないのです。
水墨画に着色したような雰囲気は、アカデミックなモチーフを主題にしていながら、水面に映る表現などはリアリズムに少しモダニズムを感じますし、画面全体の引き締まった画趣には西欧には見られない、風雅ささえ覚えます。
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