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2011年11月18日 (金)

アルフレッド・ウォリス『スクーナのビアタ号』

7 絵の画法をなまじっか知らなかったことが幸いして、アルフレッド・ウォリスさんの素朴な絵には時空を自由に飛びまわる不思議な引力が働きます。非論理的で稚拙な表現ながらそのリアリズムは抜群といって良いでしょう。自分の暮らしていた所から殆ど出ないで、毎日のように無我夢中で描いていたからこそ、純粋さだけではない、絵の本質のようなものが介在しています。

おそらく海を毎日凝視していたからこそ、このセルリアンブルーの見事な混色を生み出したのでしょうし、対比する黒で表わした陸の表現も秀逸です。それにしてもこの構図も船の進む感覚が視覚的に捉えられ、脱帽以外のなにものでもありません。

周りにある画材を何の衒いも無く、自由奔放に使いまくっていたそうですから、ペンキから油絵具までこの絵の中にも何種類か、混ざり合っているのかも知れません。

絵とはこのように自由闊達に活き活きとしてなければ、なりませんね・・・。

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