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2011年11月 4日 (金)

名前のイメージが凄い!。

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写真:『太陽』1996年 No 428

加藤唐九郎が追求した志野茶碗は、一般的に上品で穏やかさばかりがのさばっていた志野の世界に、大胆でダイナミックな世界を割り込ませ、それまでの柔な質感を隅に追いやってしまいました。この茶碗は、土の厚みと釉薬の掛け具合の按配によって釉薬に地肌が溶け、「上等な荒々しさ此処にあり・・・」、といった境地にさせてくれます。

言い伝えでは、唐九郎はこの作品以外、窯から出てきた全てを壊してしまったといわれるほど、剛毅な御本人のイメージどおりの傑作が、ここに誕生したのです。

ものそのものが別格なのですが、この銘を『鬼ケ島』とした感性にも驚かされます。どこが『鬼ケ島』なの・・・、などと聞いてしまいたくなるほど不可解なのですが、いちど、『鬼ケ島』と知ってしまうと、これ以外の銘は考えられないのでありますから、ときには、人間の感性の凄さは時空を超えるのです。

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