父が20歳の頃、立野信之氏の「少年時代」の挿絵として雑誌『線旗』に掲載されたものです。
国会図書館で調べてコピーしたものですから、オリジナルとは違いあるはずですが、当時の国家管理体制に反旗を翻した青春時代の少ない証です。この翌年、官権に睨まれた父は、密かに敦賀港からウラジオストックを経由し、ベルリンに渡り彼の地でデザイン・建築・医学・舞台に関わる新時代の潮流をいち早く吸収しまくったものの、興味旺盛な外人と異なる日本人の狭い視野に嫌気がさしていたようであります。ドイツに渡る前、鬱積した精神の荒ぶる気持ちがこの些細な挿絵にも的確に表れています。
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