1949 神保町
写真:木村伊兵衛
1965年頃、雑誌MEN'S CLUBに頻繁に登場した、【平和堂靴店】が小川町にあって、バイトで溜めたお金を握り、コインローファーとチェッカーブーツを買うのが当時のトラッド系学生のお約束でありました。すぐ近くの楽器の老舗【カワセ】は、今も昔も入りにくい店ですが、ウインドーにはマーティンのギター、オスカーシュミットのオートハープなど、高価・稀少な楽器がこれでもかといわんばかりに、こちらを見据えていました。小川町交差点をニコライ堂に向かうと、【ハーモニー】というマニアックなレコード屋があって、ここには、Folkwaysの民族音楽やブルーグラス音楽の類が置かれていました。頑固そうな店主は試聴をことごとく嫌い、店内には明治生まれらしい文体の、『断り書』が墨痕鮮やかな縦書きで張られてありました。
神田には、こと左様な拘りの店や店主が点在していて、そこで見聞することも多く、まさに『書を捨て街に出よ』の、ぴったり時代でありました。今や、一時の勢いはないものの、スポーツ業界を中心に店が軒を連なってますが、どこもノウハウ知らずの店員ばかりで団栗の背比べでしょうか。拘りの客は、わざわざ白山通り裏の【サカイヤスポーツ】まで出向いています。此処は安心して相談できる経験豊富なベテランさんが多いからです。
さて、昭和24年の木村伊兵衛さんの神保町の写真には、頑固そうな主の多そうな書店が連なっているように観えます。明治大学の校舎はこう観えたのですか・・・。本を探す都合上、どうしても下から目線ばかりで街を散策しがちですから、俯瞰した神田界隈の写真は新発見をはじめ、珍しいですよね・・・。
さて、お知らせですが、このブログのディスク容量がオーバーとなる、本年12月12日をもって、alpshima は毎日連載の記事が完了いたします。現在、記事のストックがいっぱいとなり、 alpshima にタイムリーな記事を書き込みできなくなりましたので、今からでも新らしいアドレス http://alpensmile.cocolog-nifty.com/ のブログを、併読ください。
タイトルも alpshima 2 といたしました。タイムリーなできごと・散策日記などを書き込みますので、時々クリックしてみてください。何とか、ほぼ毎日の書き込みをしたいと思います。12月12日までの alpshima と併読していただけますよう、宜しくお願いいたします。(このお知らせは、今後のブログで随時記載いたします。)
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コメント
三十数年前 姪が生まれお祝いに平和堂で赤ん坊用の
皮で出来た靴を買いました。
2年ほど前か?靴を買う積もりで平和堂に出向くと
コナカになっていて驚いた。
投稿: JP | 2011年12月 6日 (火) 午前 07時08分
先般、この辺りに20日ほど逗留いたしておりましたが、懐かしい限りです。
しかし、暖房用なのか……石炭ボイラーを焚いているのか黒煙……、そんな時代なのですね。
投稿: AKi | 2011年12月 6日 (火) 午前 09時58分
This piece was cogent, well-writetn, and pithy.
投稿: Aggy | 2011年12月15日 (木) 午前 04時18分