2011年12月 9日 (金)

OPINEL

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野外活動派の皆さんにはお馴染みのOPINELですが、大雑把なアメリカンではなく繊細なフレンチメィドですから、商品のサイズ・用途も巧みなセンスで展開しています。「ナイフなどは一本あれば十分だ・・・」などと仰らずに、その使い勝手の違いを楽しんでみたらいかがですか。

OPINELのサイト   http://www.opinel.com/ は男臭いアウトドアライフのイメージなど一掃していて、その洒落たBGMからして、ワインなくして会話も進まずといったところでしょうか。

因みに、定番のナイフ・#8は、使い終えたらきちんと油を塗るなりメンテナンスをしておきませんと、錆び付いていたことのある経験をおもちの皆さんも多いかと思います。日本製の商品と違い、「ご自分のことはご自分で・・・」という生活習慣が行き届いているフランスの商品は、必ず、ご自分でメンテナンス・補修・点検の習慣化をお願いいたします。

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2011年11月24日 (木)

LAMY Safari

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デスクトップPCで報告・連絡・相談(HOURENSOU)することばかりになっても、どっこい、手書き文の魅力はまだまだ根強いものがあります。最近の万年筆事情は何ともアナクロ(時代錯誤)な高級路線を歩むブランドが多く、何か、仏壇業界と似ていないこともありません。

その点、LAMY Safari http://www.lamy.jp/products/safari.html は、カジュアルないでたちが根強い固定フアンを握っていて、その価格帯の値頃感もあって、人気が再燃しています。

一方、インクの世界も様々なコンセプトに基づいた色展開が企画され、女性を対象に、これまでの古典的色彩に加え、明るい四季折々を愉しむ色彩展開が成され始めました。そうなれば、万年筆も高級な一本というよりは、数本持って色を愉しもうというところに落ち着き、それにはこの、LAMY Safariなどぴったりのものです。

購入する場合、既に入っているRoyal Blueのインクカートリッジと別に、コンバーターを買えば、インクを自由に選べますから好都合です。このコンバーターもきちんとデザインされていて、LAMYブランドのデザインコンセプトの誠実さが分かります。

因みに、私が今最も気に入っているインクは、CARAN dACHEのCarbon(青みの黒)http://www.yodobashi.com/ec/product/100000001000777267/index.html、DE ATRAMENTISのhttp://www.tinten-online.de/Nicholaus CopermicusのBlue(紫系の暗青)です。

というわけですが、ネット社会では,考えられないような激安価格でLAMYが買えるのですね・・・。http://tosnep.net/

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2011年10月10日 (月)

黒織部茶碗 加藤唐九郎 昭和36年  

36 抹茶碗をコレクションする趣味など持ち合わせていませんが、いまだにその人気は衰えることのない、魔界の領域であります。

人間の欲望と権威に弱い性をもろに表した『名物』が出揃う新年の茶会などでは、普段、拝見すら出来ない逸品を手に取り、内側の宇宙を独り占めできるのですから、その贅沢三昧は格別に違いないのであります。

それでも、作り手は「そんなこと関係ない」と言わんばかりに、炎の勢いという神の領域に全てを委ね、作為と無為との狭間で格闘しながら奇跡のような姿を導き出します。加藤唐九郎の黒織部茶碗も正に、その奇跡の逸品といえるのでしょう。青山二郎という稀代の目利きは、茶碗の六相として、三趣(品格・侘び・寂び)・三感(量感・力感・浄感)を挙げていますが、この器はその全てをクリアーしていますね。

そうそう、この三趣・三感はとくにプロダクトデザイン領域の完成された姿の条件として応用できますし、昨今の建築物評価にも使えますね。

さて、お知らせですが、このブログのディスク容量がオーバーとなる、本年12月12日をもって、alpshima毎日連載の記事が完了いたします。現在、記事のストックがいっぱいとなり、 alpshima にタイムリーな記事を書き込みできなくなりましたので、今からでも新らしいアドレス http://alpensmile.cocolog-nifty.com/ のブログを、併読ください。

タイトルも alpshima 2 といたしました。タイムリーなできごと・散策日記などを書き込みますので、時々クリックしてみてください。何とか、ほぼ毎日の書き込みをしたいと思います。12月12日までの alpshima と併読していただけますよう、宜しくお願いいたします。(このお知らせは、今後のブログで随時記載いたします。)

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2011年10月 5日 (水)

Bostonのトラッドな街並。

Boston_harvard_square_2 落ち着いた街並、窓らし窓・・・、ボストンの1980年代の写真ですが、ここに写っている建物は全て現在も変らずに存在しています。1880年代に建設されたBoston Lower Mass,Aveにある趣のある一角のビルは羨ましいような姿です。

リノベーションマンションもそうですが、最近は、若い世代を中心にリノベーションオフィスに人気があり、とくに下町の昭和モダンな物件に集中しているそうですから、職種によって、新しいインフラが整ってさえいれば、人情味豊かな下町に腰を据えたがるのも分かります。

さて、この写真を見ていて1960年代前半の銀座並木通り、みゆき通りにも似た雰囲気のビルがあったことを思い出します。ドイツ料理のケテルス、双葉屋靴店、三ツ輪精肉店、ピルゼン・・・など、落ち着いた店内ときちんとした身なりの店員さんとの相性がみごとでした。銀座・交詢社内 秀山荘でアルバイトをしながらお客さんに納品をして帰る途中、ビルの間を早く通り抜けることを先輩から教わり、ずいぶんと失敗しながらも最短コースを暗記していったものです。そのおかげで今も銀座界隈の小路も覚えていて、たまに抜けようとするのですが、途中で閉鎖になっている箇所も多く見受けます。

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2011年9月23日 (金)

神保町の古典的窓枠?

Img_3826 私の自転車徘徊の聖地である神保町界隈にはこれまで数えられないほど通っておりますが、それでもまだ見たこともない物件に出遭うことが多々あります。それほど奥深い地域であるということの証拠なのでしょうが、だから飽きることもなく探索の日々を続けることができるのです。

昨日、文房堂に画材を買いに行った帰りに周辺を徘徊してましたら、ご覧のようなみごとな意匠の窓枠のようなものを発見しました。セメントで固められた外枠の中に繊細な幾何学模様の装飾板のようなものがあります。おそらくは、鉄鋳物なのでしょうが、ずいぶんと凝ったものです。元は窓だったのか、あるいは通気口なのか定かではありませんが昭和の初め頃の神保町界隈の古典的な町並みの名残を今でも留めていてくれます。神保町も今では、新しい世代の人によるお洒落な本屋さんもちらほら見かけるようになり、少しづつ、変貌の芽が顔を出し始めたようです。新しい切口による本の文化を継承しつつ、異なるジャンルの業態とのコラボレーションも実験レベルながら、オッと思う感覚の店も現れました。目黒川近辺にもそういう同感覚の本屋さんが出てきましたから、どちらも自転車徘徊には最高のロケーションですので、両方ともに見逃せなくなってまいりました。

80年近く神保町を見てきたこの物件にしても、この数年で変貌し始めた様子をどんな気持ちで今もながめているのでしょうか・・・。

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2011年8月29日 (月)

折衷感覚の教科書

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折衷感覚とはいうものの、様式史・風俗史・素材史などを咀嚼して、自分なりのアレンジをした、マーガレット・ハゥエルさんのリビングルームの一角ほど、みごとなまとめ方はありません。だいたい、室内のコーディネートには意図的な作為が見え隠れするものですが、彼女の生み出すファションと同じ延長上の『簡素であるが質素ではない』という生活の心地よさが漂っています。

デザイン学生向きの講義的表現とすれば、「古今東西、その時代時代の民芸としての道具と、相対する装飾性とが響き合うオフビートな現在感覚」とでも言ってしまいましょうか・・・?。

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2011年7月29日 (金)

『ムーランルージュラ・グーリュ』 ロートレックのモダン

Photo アーティストの力量を十二分に発揮したポスターといえば、これしかございませんね・・・。

1891年にロートレックが初めて手がけた代表作として有名ですが、実寸は畳一枚以上もある巨大サイズで、普通ならビビッてしまいそうな寸法です。実際にこの寸法のままアトリエで描いたのか、あるいは、画帳に描いたものを拡大したのか定かではありませんが、生まれつきの病から小柄であったロートレックは、堂々と立ち向かい、このドラマティックなコントラストを表現しました。

ロートレックの作品には写真の手ほどきでも受けたのかと思いたくなるようなアングルと逆光表現が多く、どれも冴えてますが、この作品はその中でもやはり・・・、ピカイチですね。

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2011年7月18日 (月)

品格のある村

Pro701 今や、日本全国至るところの街並が、祖先からの慣わし文化を捨て去り、目先の換金効率に溺れ、その結果、均一な商品建築が蔓延ってしまいました。

伝統文化を意地でも守り続けるにはそれ相応の志と金が必要で、その上、品性卑しからずの役人が不可欠であります。残念なことにこの国の捨て去ってしまったことを見直すには遅すぎるのでしょうが、若い世代が中心に、地道な暮らしへの見直しと実践が芽生えだしたのは、正しい選択のように思えます。

さて、このピレネー地方のコンク村の写真を見てはため息をついてしまいます。写真からも、此処に住んでいる人々の誇りさえ伝わってきますよね・・・。おそらく400年前と何ら変わらない景観なのでしょうか・・・。http://www.geocities.jp/sjwatabe/conques.html

自転車レースの最高峰、ツールド・フランスの中継にでも出てきそうな場所ですが、・・・そうそう、ツールド・フランスといえば、ヘリコプターからの画像を通して選手の一団が流れるように映る美しさも素晴らしいのですが、同時に、白眉はヨーロッパの素晴らしい景色・景観を堪能できるところですね!!!。

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2011年7月12日 (火)

日本の伝統パッケージ

Photo_6 『卵つと』と呼ばれていた山形県の卵・パッケージの、おみごとな姿であります。

流通の変化により、プラスティックや環境問題からパルプ・モールドなど時代の波と同調して包装素材も変わりましたが、この姿はきっと生産の場と消費の場が同じ生活圏にあったのでしょうし、農家の副業として卵の販売が許されていたからこそ、藁の素材が有効だったのでしょう。まさに、農村文化のひとつの表れがここに写真として遺されているのです。高速道路・新幹線と、インフラ整備と引き換えに、流通革新が生まれ、モノも人も自由自在に移動し出した結果、伝統的なるものごとがあっという間に消し飛んでいったのでしょう・・・。

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2011年7月10日 (日)

郵便物のデザイン。

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写真:BRUTUSRimg29177

一年に二回ほど雑誌の整理をしながら、とっておきたい特集などを切り裂き別のファイルに容れますが、やはり5年以上前の雑誌には、編集者のこだわりと執念が内容にも反映されているように思い、逆に、昨今の雑誌は広告扱いが減少した分、手もみするような「よいしょ企画」もありありといったところでしょうか。

切手コレクターでもある柳本浩一さんhttp://openers.jp/interior_exterior/yanagimoto_kouichi/index.html  http://metabolism.jugem.jp/ が、海外から持ち帰った郵送物のデザインが掲載された2003年のBRUTUS(537号)「切手デザインをなめるなよ」も秀逸な一冊で、切手を中心に郵送物のデザインに関して、かなりのデュープな執念が観えます。

さて、現在とくにそうですが、日本の切手のグラフィックの貧弱さは止まることを知らず、その幼稚さとマンネリ化は、美しさの微塵もないのと併行し、絶望的でもあり、その概要はこの号で一目瞭然であります。最近は、切手を貼って投函することも少なくなり、メールが主役の時代となってしまい、又、宅急便が小荷物郵送の中心となってますが、この世界でも、海外の小包箱からステッカー・タグにいたるまでの美しく、視覚伝達の基本をおさえた優れたデザインが目に付くばかりであります。記入する際の優先順位も世界の誰もが分かる親切心がディテールに反映され、印刷物にも無駄のないアスリートの身体のような機能美があることを改めて教えてくれます。

さて、お知らせですが、このブログのディスク容量がオーバーとなる、本年12月12日をもって、alpshima毎日連載の記事が完了いたします。現在、記事のストックがいっぱいとなり、 alpshima にタイムリーな記事を書き込みできなくなりましたので、今からでも新らしいアドレス http://alpensmile.cocolog-nifty.com/ のブログを、併読ください。

タイトルも alpshima 2 といたしました。タイムリーなできごと・散策日記などを書き込みますので、時々クリックしてみてください。何とか、ほぼ毎日の書き込みをしたいと思います。12月12日までの alpshima と併読していただけますよう、宜しくお願いいたします。(このお知らせは、今後のブログで随時記載いたします。)

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