難しい雲であります!
水彩画を始めて、最初に挫折の壁というものがあるのならば、それは間違いなく、雲の表現でしょう。特に屋外で水彩絵具をだして、刻々変化する雲の動きを捉えるには、ひたすら、数をこなす以外、何もなく、辛抱に辛抱を重ねた者が、ある悟りというか、コツのようなものを会得するのであります。
雲の奥に差し込む光にも、そのお国柄というのがあるようで、このイギリス・湖水地方のような重い空気に包まれた場所は私好みではありませんが、それでも、ハリス・ツイードのジャケットを着て、ツーシーターのライトウェイト・オープンカーなど操って丘陵を走って、辿り着いた気分になります。
さて、その国の風景画はその国の画材で、というのが昔は大原則でしたが、それはその国の鉱物から採集された原料が多く占めていた時代のお話であります。今や、合成の顔料が多く占め、人体に悪影響を及ぼすと思われる原料も使えないご時勢ですから、どこの国のものか関係なくなり、色の世界も標準化の傾向に歯止めが利かないようであります。
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