2009年10月26日 (月)

ジョン・ハートフォード サザンアメリカンミュージックの典型

Jh

1937年12月30日、ニューヨーク市で生まれたJohn Hartfordは、1952年に、この街にLester Flatt&Earl Scruggs& Foggy Mountain Boysがやってきたことで、彼の音楽人生を決めてしまう。1960年代中頃には、ミズーリ州やイリノイ州のローカルなバンドでバンジョーの演奏を磨いたり、ハリウッドへ出向きラジオのDJなどを行う。その後、Glen CampbellのGoodtime HourというTV番組にレギュラーのバンジョープレイヤーとして参加した。有名なGlenの大ヒット曲「Gentle On My Mind」はHartfordの作詞作曲である。70年代最初から80年代は、ヒッピー文化に迎合したドラッギーなサウンドを上質なブルーグラスに融合したが、その後は、善良なアメリカン・パーフォーマーとして、アルバム「MARK TWANG」はグラミーを獲得するなど、ユニークな活動を行う。惜しくも、2001年6月4日に長い癌との戦いに打ち勝つことができず他界した。

Hartfordのバンジョースタイルは、実は、Earl Scruggsに傾倒したソリッドなものであるが、ステージやパフォーマンスでは、通常よりも数音低く調弦した楽器を使い、独特なフレーズを独特のロールで弾く。4小節聞けば彼のものだと分かる演奏スタイルは、数居るブルーグラス・バンジョー奏者の中でも、かなり異色である。(SHOW BY BANJO)

ブルーグラス界というよりも、アメリカンミュージックの地域性を出した一方の旗頭として、もっと評価されてもよさそうなJohn Hartfordさんは、もう亡くなられてしまいましたが、その独特な歌声とやや低音にチューニングされたバンジョーの音色に虜となって以来、今も聴き続けています。アメリカの内陸の文化・芸能はその愛好者のマニアックな嗜好もあって、大きな広がりをみることはありませんが、Johnさんの音楽には地域の特性をはっきりと打ち出しながらも、そのしっとりとした曲趣には普遍的美しさがあって、聴いているだけで、その世界に引き込まれていきます。

You Tubeから名曲Lorenaです。http://www.youtube.com/watch?v=Pjhp93XG0SU

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2009年9月24日 (木)

峠の我家 Roy Rogers & The Sons of The Pioneers

Roy_rogerssons_of_the_pioneers 小学校時代にはガリ版刷りの冊子が配られて、遠足に行くときは必ず各自持参のお約束でした。

この冊子には唱歌という見出しがあって、日本・アイルランド・アメリカ・イタリアなどの民謡を中心に歌詞と音譜が書かれていました。

私が最初に好きになった歌は「Home on The Range」http://www.youtube.com/watch?v=oKBqz6FWvlo邦題は「峠の我家」http://bunbun.boo.jp/okera/tato/touge_wagaya.htmといいます。今でも、秋口になると脳裏をかすめるこの曲には、その後、デザインを勉強する時代になり、HomeとHouseの違いを解き明かすヒントもあって、かなり外国人の思うHomeの意味がしっかりと表れています。あくまでも、日々牛追いの生活に明け暮れるカゥボーイの心を歌った歌詞ですが、子供ながら、すっかり病み付きとなったしまいました。

間もなく、カゥボーイや西部劇映画にぞっこんとなって、家の中でもプラモデルの拳銃をぶら下げて机に向かっていた、間抜けな頃でもありました。

Home on The Range

Oh, give me a home where the buffalo roam
Where the deer and the antelope play
Where seldom is heard a discouraging word
And the skies are not cloudy all day
Home, home on the range
Where the deer and the antelope play
Where seldom is heard a discouraging word
And the skies are not cloudy all day

How often at night where the heavens are bright
With the light of the glittering stars
Have I stood there amazed and asked as I gazed
If their glory exceeds that of ours

Home, home on the range
Where the deer and the antelope play
Where seldom is heard a discouraging word
And the skies are not cloudy all day

Then give me a land where the bright diamond sand
Flows leisurely down to the stream
Where the graceful white swan goes gliding along
Like a maid in a heavenly dream

Oh I would not exchange my old home on the range
Where the deer and the antelop play
Where the seldom is heard a discouraging word
And the skies are not cloudy all day

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2009年9月13日 (日)

Gene Autry 佳き時代のアメリカンミュージック

Gene_autry 日本の懐かしメロディには、小学校唱歌でさんざん歌った曲以外、あまり馴染めませんが、オールドアメリカンミュージックには、メロディの美しい曲が多く、一日に何度もYou Tubeのお世話になっています。

Gene Autry・・・、稀代のカントリーミュージックシンガーにして、映画俳優・大実業家でもあった彼の歌は力強い国力としての第一次産業を基盤としたアメリカの良心があって、信頼が失墜した今、アメリカでも人気が復活・・・、などということがささやかれているようです。そのスケールの大きな歌いっぷりは、堂々・朗々としていて、時代を超えた男のあるべき姿さえ、鼓舞させているようであります。

彼の歌には都会に媚を売るような姑息なナッシュビルサウンドに観られた姿勢などまったくなく、ひたすら、『強いアメリカのバックボーンは農業である』と訴えているように聴こえてきます。http://www.youtube.com/watch?v=0hpqcpiLmoI&feature=related

この曲の歌詞です。

I'm back in the saddle again
Out where a friend is a friend
Where the long-horn cattle feed
On the lonely jimson weed
Back in the saddle again
I'm riding the range once more
Totin' my old 44
Where you sleep out every night
And the only law is right
Back in the saddle again

Whoopee-ti-yi-yo, rockin' to and fro
Back in the saddle again (once again)
Whoopee-ti-yi-yae, I go my way
Back in the saddle again

I'm back in the saddle again (once again)
Out where a friend is a friend (good ol' friend)
Where the long-horn cattle feed
On the lonely jimson weed (mmm-hmm)
Back in the saddle again (once again)
I'm riding the range once more (once more)
Totin' my old 44 (that 44)
Where you sleep out every night
And the only law is right
Back in the saddle again

Whoopee-ti-yi-yo, rockin' to and fro
Back in the saddle again (once again)
Whoopee-ti-yi-yae, I go my way
Back in the saddle again

Back in the saddle again

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2009年8月12日 (水)

元祖・エコなフェスティバル

Bluegrass201 写真:小森谷 信治

1970年代半ば迄のブルーグラス界は新旧後退の感があって、極端にいえば、毎月毎月新人バンドが登場しては話題をさらっていくという状況でした。

1974年に刊行さtれた小森谷さんのブルーグラス・フェスティバルを巡る一連の写真集『Blueridge Mts Friendly Shadows』には当時の新旧世代交代・感性変化・風俗混合などがモノクロームの秀逸な写真を通して、伝わってきます。この頃、ギターケースなどに貼る横長のステッカーには『Clean Up Air Polution Play Bluegrass Music』というキャッチフレーズが書かれ、今様でいえば、エコなスローガンでありました。

ブルーグラスの楽器は原則的にはアン・プラグドでありますから、このようなフェスティバル会場の音響設備も質素なものでしたが、70年代後半ともなると、設備もロックフェスのように大掛かりと成りだしましたから、静かな雰囲気を楽しみだった守旧派の客筋は一気に足が遠のきました。日本でいえば、箱根ブルーグラス・フェスティバルのように森林浴を兼ねられる会場で、連日アコースティックな世界に浸れる至福のときは、一度経験すると、もう止められない・・・、のであります。http://www.youtube.com/watch?v=840k1mSewSE

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2009年7月 3日 (金)

ビル・モンロー

Bluegrass701

写真:小森谷信治

ビル・モンローhttp://music.yahoo.co.jp/shop/p/12/134893/ という名前を知ったのは、当然ブルーグラスという音楽を知ってまもなくでしたが、その脳天から飛び出すほどの高音の歌声に、当然、拒否反応を示し、http://www.youtube.com/watch?v=ffhqOy_A8KM&feature=related専ら、レスターフラットなどのポップス感覚に溢れた洒落た感性のブルーグラスばかり聴いていました。http://www.youtube.com/watch?v=ppKyphr8Eas

なにしろ、この方以外のブルーグラスサウンドをブルーグラスとは認めないほどの熱狂的マニアが多く、私のような『そんなことどうでもいい』立場人間にとっては、アナクロ的存在の代表といっても過言ではなかったのです。そして、エルビス・プレスリーもビルモンローの作曲したBlue Moon of Kentukyをビート感溢れる1950年代のロックンロールへと仕立て上げたのを知り、http://www.youtube.com/watch?v=AGeOuAnIvNs嫌いだけど気になるミュージシャンとなりました。

それでも、時代の推移というものは勝手なもので、最近はビルモンローの表現するハイロンサムサウンドがアメリカ音楽の唯一のオリジナリティのようにも思え、You Tubeをクリックしては、お手軽に愉しんでいます。このYou Tubeの功罪は計り知れないものがありますが、それまでのメジャー指向だった世界に、とんでもないマニアックな音楽のあることも分からせた役目には喝采せざるを得ないのです。今ではYou Tubeを通したビルモンローをはじめとするアメリカ南部の音楽を、南部の白人風俗文化を背景にした、文化史的側面の貴重な資料とさえ思っていますから・・・。

さて、1970年代初めに実際のグランド・オール・オープリーのステージをご覧になり、このベストスナップを撮った小森谷信治さんによれば、「ビルモンローが舞台に登場するだけで、周囲には緊張と敬意が満ち溢れ、軽々しさなど隅っこに飛んで行ってしまう」ほどのオーラがあったそうです。

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2009年5月26日 (火)

カントリー懐メロ 聴き比べ

Gyui Fdux カントリーミュージックは、1960年代の中頃から都会的サウンドに味付けされたナッシュビルサウンドが一世を風靡し、仕掛け人のチェット・アトキンスを筆頭にビクターレーベルのコンセプトが大当たりしました。その中でもJim Reevesのヴェルヴェットボイスは今日でも色褪せることなく輝いていますし、その歌の上手さは別格です。しかし反作用として、テキサスのMoon Mullicanなどはブギウギピアノを駆使して、酒場の雰囲気たっぷりにホンキートンクサウンドを全開して、こちらも守旧派の皆さんには大うけでありました。

最近、You Tubeをいたずらしているとご両人が名曲「There's A New Moon Over My Shoulder」を歌っているのでお聴きいただくとその違いがお分かりかと思います。方や、Jim Reeves http://www.youtube.com/watch?v=mS-dMjFe2Hs&feature=PlayList&p=B785D4E05274A1C3&playnext=1&playnext_from=PL&index=66 は都会のセンスに溢れ、チェット・アトキンスのギターとビブラフォンのサウンドが上品なコラボレーション効果を生み出しているのに対し、Moon Mullican  http://www.youtube.com/watch?v=Pe067_0bKf8&feature=related は余計な装飾音なしにブルーステーストをたっぷりとブギのリズムに乗せ、紫煙に煙る酒場の気配を濃厚に表しています。バックに見える1950年代と思しき女性の風貌がよろしいですね・・・。

1970年代後半となると、Moon Mullicanの流れを源流としたウイリー・ネルソン等の世代がアウトロー・カントリーというラギッドなサウンドを採り入れ若い世代を中心に大人気となり、エレガント路線のナッシュビルサウンドは中途半端な都会向きの感覚がマンネリ化し、衰退していきます。

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2009年5月20日 (水)

Bluegrass 1970年代

Bluegrass801 写真撮影 小森谷信治

それまで聴いたことのなかったキングストントリオhttp://www.youtube.com/watch?v=3VMSGrY-IlUのシンプルなサウンドに魅かれたのは中学生の頃でしたが、彼等の音楽を聴いているうちに、アメリカの音楽の根っこの分野にまで興味を持ち出し、当時、ラジオ関東(現・ラジオ日本)のシティ・ライツというカントリー音楽中心の番組を聞きかじっていました。この番組のオープニングは五弦バンジョーの華やかで乾いたテーマ音楽http://www.youtube.com/watch?v=icMTVV5Lwaw&feature=relatedで始まり、この華やかな音楽は何というジャンルなのか気になりだし、やがてそれがブルーグラス音楽というジャンルのあることを知りました。高校時代になり、フォークソングと並行して学生に人気のあったブルーグラス音楽はアメリカ中東部から南部を中心としたアパラチアン山脈周辺の白人の音楽でしたが、1960年代後半になると音楽のみならず、建築・絵画から生活文化にいたるまで、都市の若い世代を中心に自然回帰指向が顕著となり、その影響か、ブルーグラス音楽もアメリカ全土に飛び火して、ウエストコースト、とくにカリフォルニアの乾いたサウンドと切れ味のご機嫌なリズムとコーラスが抜群なバンドが台頭してきました。

この写真はさらに後の1970年代初め、ブルーグラスフェスティバルのジャムセッションの様子です。当時、大人気だったウエストコースト派のニッティグリッティダートバンドhttp://www.youtube.com/watch?v=sLD85G2jr-o&feature=related・カントリーガゼットhttp://www.youtube.com/watch?v=Za4SEaPVlcs・ザディラーズhttp://www.youtube.com/watch?v=LzOWTNMruXU&feature=relatedが揃った貴重な写真です。この時代、アメリカよりも日本の学生を中心としたブルーグラスフアンの方が、組織・動員ともに上である・・・などといった話もあって、私も初めて経験した軽井沢ブルーグラスフェスティバルなどは、北軽井沢の林の中で開かれ、野趣に富んだ素晴らしいひと時でありました。

今年も間もなく、朝霧高原・箱根 夕日の滝などでブルーグラスの宴が始まります。

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2009年5月10日 (日)

リズムギターの教則本

Doi Sti

ある程度上達するまで辛抱しなければならないのは、どんな世界でも当たり前のことでありますが、とくに楽器の場合、独りで愉しんでいれば、さほどではないのでしょうが、バンドを組んで合奏を楽しむまでには、各人弛まぬ練習が不可欠でありまして、ちょっとでも練習を怠れば誰にもその態度が伝わって気まずい雰囲気となってしまうのであります。バンド解散の原因には感性の相違とともにこの個人と集団という普遍のテーマが隠されているのです。

と云ったところで、最近購入したカントリー系のリズムギターの教則本です。師匠はエンターティメントたっぷりのバンドRiders in The Sky (http://www.ridersinthesky.com)のバンドマスター、Dougさんであります。私はこのバンドのサウンドとコーラス 、全員の醸しだすゆるいニュアンスhttp://www.youtube.com/watch?v=Dv-faHqmiVM に魅かれていますが、同世代にも多くのフアンがいるようで、ライブハウスなどでの幕間話題にも時々登場しています。この本、なかなか丁寧な内容で、コード進行は勿論のこと、新しいリズムのコンセプトなども書かれているようですから、少しじっくり熟読することにします。

ほどほど趣味の域を脱しない私の音楽歴も47年を迎え、ここでもうひとつ、ギターのセンスを磨こうと思って購入したからには、時間を掛けてでも、自分のものにしたい決意であります。

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2009年4月 8日 (水)

Red Foley 穏やかカントリーは春の気分!。

Rimg18134 春の、のほほんとしたゆるり気分にRimg17768 浸りきっていたい時季には、その柔らかい春景色に相応しい音楽を抽斗から取り出して、早朝から目覚し代わりに聴くのが日課のようになっています。しかし、長く聴き入っていると、絶好の自転車徘徊日和を忘れて、早朝の低い陽射しの恩恵を受けられなくなってしまうのも、うっかりながら、よくある話であります。

というわけで、カントリーミュージックを大衆路線向きのポップスに変えていった功労者である、Red FoleyのHillbilly Feverの音楽なども、春の季節限定ランチのような、麗らかな趣きがあります。ちょっと低めながら伸びのある歌いっぷりが、1940年代から1950年代のカントリーミュージックの王道であったことを伝えてくれますし、ヒルビリーと呼ばれる、カントリーフレーバーがたっぷりの音色には、国の違いを越えて、自然風景の光と風が浮んできます。

この四枚組み計100曲は単にカントリーソングというだけでなく、アメリカの佳き時代の、毎日の他愛ない生活を中心としたテーマに溢れていて、それだけで、ノーマンロックゥエルのイラストレーションが浮んでこようというものです。

さて、先日買って来た,お洒落質素生活の指南雑誌・ku:nelの愉しみ連載コラム「MUSIC ごろりでゆるり」に細野晴臣さんが記事を書いていて、そのコラムには無類の音楽博士・伯楽でもあるそのエキスが文脈のいたるところに飛びまくっています。その中にRed Foleyの時代の音楽を『汲めども尽きない音楽の魅力の宝庫』と云いきっています。きっと、生活と音楽の関係が今のような情報消耗でなく、暮らしに密着していた時代の何とも云えない心地よさが、50年以上経ても一向に色褪せないのでしょう。ウディ・アレン監督の映画・Radio Daysにはこの時代の生活と音楽の親密な関わりを、一台のラジオを通して表してくれました。

カントリーの世界では、ヒットチャートを意識し出したナッシュビルサウンドの台頭する前の1950年代に、良識のある職人中心の音の細部に拘った音楽の姿が数多く記録されています。それは他のエンターテイメント、ポップス、ジャズでも映画でも・・・、さらに飛躍してしまうと建築・デザイン全般も含めて共通の話なのですが。

1950年代は客層を仮説として設定していくマーケットイン時代に移行する前の、作り手の思い入れを前面に出したプロダクトアウトなモノが生まれた時代だったのです。

Hillbilly Fever Music Hillbilly Fever

アーティスト:Red Foley
販売元:Proper Box
発売日:2006/06/20
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2008年11月25日 (火)

オリジナル・カーターファミリー

H もし彼らがいなかったら、ウディ・ガスリーもボブ・ディランも存在しなかったかもしれない--と言っても過言ではないほど、現在のポピュラー・ミュージック・シーンに多大なる影響を与えたカーター・ファミリー。カーター夫妻と従妹メイベルから成るこのグループは、トラディショナルやゴスペルをレパートリーに30年代から活動を始め、オリジナルの「ワイルドウッド・フラワー」「ワリード・マン・ブルース」といったヒットを放つ。これらの曲は、いまだにカヴァーするアーティストが絶えないほどスタンダード化している。彼らの魅力は低音を活かした独特のハーモニー、そして、メイベルのギター・ワークにあると言っていいだろう。後に"カーター・ファミリー・ピッキング"と呼ばれるようになるこの奏法は、ベース・ラインとコード・ストロークを巧みに織り交ぜ、メロディをくっきりと浮かび上がらせることに成功。カントリー/ブルーグラスに欠かせないものとなった。親類、子供たちをメンバーとして加入させながら、60年代までバンドを存続させたカーター・ファミリーは、ジミー・ロジャースと共にアメリカン・ミュージックの原点と言うことができよう。

フォークソングに興味を持ち出した1962年頃から数年経つと、アメリカンミュージックのルーツを調べる事が面白くなって、銀座イエナなどに出かけては、アランロマックス著の古いフォークソングの由来などを立ち読みしていました。高校の先輩にも有賀さんというドブロ弾きの方がいらして、親切にブルーグラスをはじめ、アメリカンミュージックの世界を教えてくれました。

そして、カーターファミリー http://www.youtube.com/watch?v=ZbmQQ4RfzVEにどうやらその根っこがあるという風に感じてきたのは、当時のライナーノーツを一手に引き受けていた感のある高山宏之さんの解説の影響もありますが、レコードを聴いていて素直にそう感じたのです。ギター好きの輩は専らカーターファミリー・ピッキングという奏法と格闘していましたし、オートハープというカーターファミリーに欠かせない奇妙な楽器を神田・カワセ楽器で初めて見た時は、その美しい音色に清清しさを感じたものでした。

カーターファミリーの音楽はシンプルで誠実で実直そのもの・・・といった曲趣でしたから、当時から若い世代にはさほど広まるほどの人気はありませんでしたが、今もアコースティック音楽を生活の潤いとしている者にとっては、全ての典型であり原点で、あり続けるのです。

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2008年11月23日 (日)

The Emperor Quartet

Eq 柔らかい音色に囲まれて、企画書などを練っている時に、最もよく聴くアルバムが、このThe Emperor Quartetによる[In Perfect Time]です。こういうカテゴリーがあるのか判りませんが、いわゆるサロン・ミュージックの範疇と思えますが、曲も「テネシー・ワルツ」「ムーンリバー」などポピュラーな作品ばかりですし、なにしろヴァイオリン2台・ヴィオラ・チェロの四人編成ストリングスの奏でるハーモニーが自宅をホテルのサロンへと変えてしまったかと錯覚するほどの豊穣な音色と臨場感です。自宅のデスクで企画の草案を何枚も書き直していらいらしている時など、たいそう効き目のある音楽療法として、私の常備薬であります。

 企画で生活されている同業の諸氏も多かろうと思いますが、皆さん、企画は商品などの付帯物などという世間の認識の時代から、企画は企画として独立したものだということが理解されてきたこの時代を有り難いことと思っていらっしゃるでしょう。私などは不器用な者ですからその都度ゼロから企画コンセプトを構築しますので、The Emperor Quartetのお力を借りませんとなかなか先に進むことが出来ません。演奏される曲からインスパイアされるキーワードもふっと湧いたりして、たいへん有り難いアルバムなのであります。

もう十二年前のCDですから廃盤となっているようで、Amazon.comから注文するか、神田の中古CDショップ辺りで地道にお探しください。

In Perfect Time THE Emperor Quartet [In Perfect Time] SOLCD06

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2008年10月28日 (火)

JAZZの缶詰

Rimg6345_2 渋谷・セルリアンタワー東急ホテル内にあるIn Touchは洒落た小物を探すには欠かせないスポットで、渋谷に出向く時は必ず立ち寄るお店です。

この店を運営している後藤陽次郎氏はコンランショップのスーパーバイザーをはじめ、各種のデザインプロデュースに並外れた手腕を発揮しています。又、その優れてティストフルな品揃えには、これまで様々なショップを通して定評がありました。

以前は、メンズの小物にグッド・センスなものがたいへん多かったのですが、その感性はコンランショップに移行してしまい、此処In Touchでは比較的女性向の品揃えが豊富です。

この日は缶に容れられたJAZZのコンパクト・ディスクが気に入ってしまいました。最近のプロパーなCDは環境を意識しているのか、ジャケットが年々チープな傾向になり、事務用品的な感覚に近いものがあるな・・・などと思ってましたから、ちょっと人に差し上げるにはこの位の遊びがあってもよろしいのでは・・・などと感じ入ったのであります。

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2008年7月11日 (金)

ブルーグラスミュージックの本領

851 音楽を含め全ての文化・芸術は、特定のクラシック畑を除いて、やはり時代とともに歩まなければ、取り残されてしまうのが現状でしょう。ビジネス用語で置き換えれば、プロダクトアウトよりも、マーケットイン(作り手の身勝手な発想よりも市場の動向を重視すること)・・・、といったことと同意です。

それでも、時代に合わせたマーケティング重視の商業音楽の多い中、ブルーグラス・ミュージックの世界は、ひたすら、(ショービジネスとしての要素もありますが)自分たちの風土・風景・家族の引き継いできた地域の独自文化を、きちんと伝承しているからこそ、伝統に胡坐をかくことなく、次代に継承していく何かを持っているのです。

この、デル・マッカリーバンドhttp://jp.youtube.com/watch?v=F3Is_C5KIVsのコンサートの写真を観ていても、祖父から孫まで一緒に同じステージで演奏することによって、その感性・技法を通し、身体の中に自分たちのバナキュラー性(その地域の独自性)を強く意識するでしょうし、お孫さんたちなどは、知らず知らずのうちに、家族の絆というものを、この舞台に立って、身体に浸み込んでいくことでしょう。これはもう、ノーマンロックウェルの世界でもあります。

さて、デルマッカリーの音楽は、相当ブルーグラスミュージックのお好きな方々でなければ理解しづらい高音域のボーカルと、強いリズムにのったビルモンロー直伝のハイロンサムサウンドの伝承者でもありますが、YouTubeの画像ではアイルランドの国宝バンド・The Chiftainsとのサウンドと上手くシンクロして、デル・マッカリーの強い個性が若干マイルドとはなっているものの、女性にはこのティストが全く理解されないのです。私も聴き始めの頃は、脳天直撃ボーカルに卒倒しましたが、今や、オリジナリティに敬意を評している日々です。

さて、一方、沖縄の音楽 http://rca.open.ed.jp/music/index.html も、生活に根ざしていて、何時でも何処でも、三線の音にのって、家族・地域の皆さんの踊りと歌が始まりますし、世界の何処に限らず、風土・暮らしに立脚した音楽こそが、全ての地域文化の根っこといえるかも知れません。

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2008年5月12日 (月)

エディ・アーノルドさん死去

Ed カントリーミュージック界の大御所、エディ・アーノルドさんが5月8日、テネシー州・ナッシュビルにて、89歳の天寿を全うされました。

私は、今から46年ほど前、世間はアメリカのポップスが花咲き出した頃、当時のラジオ関東のカントリーミュージック番組『CITY LIGHTS』から聴こえてくるその甘い歌声に、子供ながら、聞き惚れていました。歌詞の内容を知っていれば、随分とませていた子供でしょうが、それよりも、メロディラインの美しさとエディさんのソフトな低音域から高音域までの歌声に、ただ感心していただけなのです。その後、カントリーミュージックをよりポピュラーに広めるために尽力され、ナッシュビル・サウンドを成功裏に導いた功労者でもあります。

カントリーミュージック界でも格の違いを見せ付けた歌の上手さと、誠実なその人柄からか、アメリカにおいても多くの人たちから尊敬され続けられていました。大多数の日本人にとっては、菅原洋一さんが歌った『知りたくないの』がエディさんの数多くあるメガヒット曲の中では一番、知られているでしょうが、「お好きな方々」にとっては、ここ何日かは、レコード、あるいはCDなどで、旧き佳き時代のカントリーサウンドを、冥福を祈りつつ、偲ばれているのではないでしょうか・・・。

You Tubeから、少しピックアップしましたので、ご覧ください。

http://jp.youtube.com/watch?v=dreLpKcV9c0

http://www.youtube.com/watch?v=hTKeo4w7npA

http://www.youtube.com/watch?v=SE6rdpMV2Dg

http://www.youtube.com/watch?v=QsBwpfvvfB8&feature=related

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2008年3月31日 (月)

ロッキーに春来たりなば・・・

Bhft やっと春めいてきたかと思えば、又、イエローオーカーの砂が空を覆い、一度でさえありがた迷惑なのに、今年の春は黄砂が何度も来て惨々な目に会いました。

こういうときは気分一新、気持ちよいほど晴れ晴れとしたカウボーイソングを聴くのに限ります。

YouTubeを悪戯しているとBill Chilesという、いかにも長閑そうな姿のシンガーが登場しました。歌いっぷりは朗々としていて、小技を遣うことなくストレートに春のロッキーを歌い上げますhttp://www.youtube.com/watch?v=glKOYiCFKdM&feature=related 。このWhen It's Sprin' Time in The Rockies という曲は、春を待ち望んだ季節賛歌とでもいいましょうか、そののびやかなメロディーは誰しもが口ずさんでしまいそうです。カウボーイソングは、くせのあるカントリー系の音楽と同じ仲間ですが、生活シーンと孤独感のある男の世界が季節・自然環境を背景に謳われるものが多く、メロディーも美しく繊細で、この季節と秋の黄昏の頃にはぴったりの柔らかな音楽です。

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2008年3月25日 (火)

HOOTENANNY

Rimg7719

これは凄い映像の登場だ。1963年、アメリカのフォークブームのど真ん中にABCテレビで全米放映 された有名な『フーテナニー』が40年ぶりに、ついに日の目を見た。チャド・ミッチェル・トリオか らはじまり、ジュディ・コリンズ、ルーフトップ・シンガーズ、ニュー・クリスティー・ミンストレル ズ、イアンとシルビア、ボブ・ギブソン、ライムライターズ、ブラザーズ・フォーほかのフォークグ ループに、フラット&スクラッグス、デビュー当時のドック・ワトソンやディラーズ、ディアン&グ リーンブライアー・ボーイズ、エディ・アーノルド、ジョニー・キャッシュやマザー・メイベルとカー ター・ファミリー(シスターズ)も含んで、当時のモダン・フォークが次々と紹介される、あの曲この 曲、フォーク・ファン夢の映像集である。手前味噌だが、歴史的なカーネギーホール・ライブの翌年、 フラット&スクラッグスのアンサンブルはたった2曲だが圧倒的に完璧/普遍なのだ。アメリカの若者 がまだ従順だった1960年代前半、この時代の翌年にビートルズ時代からロック、そしてベトナムとア メリカは劇的に変わっていく。…でも、日本は、NHK見ていると、あの手拍子といい、今もおんなじ…、 ほんまに、成長しているんだろうか? 米国の場合、これらの一時的なフォークグループとブームは 過去のもの、懐メロとして大いに楽しめる。(BOMサービス)

先週、自転車とフォークソングに染まりだした高校時代の記憶を辿ることができそうなDVDが送られてきました。

『The Best of HOOTENANNY』というタイトルの三枚組にはたっぷりと思い出のフォークソングの名曲が勢ぞろいしていますし、映像から浮かび上がる1960年代のアメリカの学生の表情には今と全く異なるやや暗い影も見え隠れしていて、ひとつの風俗資料としても第一級です。

きちんとした歌唱力のあるアマチュアからレスターフラット・アールスクラッグス、エディ・アーノルド、ジョニー・キャッシュまでも登場して、フォークソングだけではないアメリカンミュージックの当時の全貌も俯瞰できます。

Best of Hootenanny (3pc) DVD Best of Hootenanny (3pc)

発売日:2007/01/16
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2007年10月 1日 (月)

THE ROGANS フォーク・コンサート

Rimg2136 Rimg2147 Rimg2163  9月29日の土曜日午後4時半から、東京都庭園美術館http://www.teien-art-museum.ne.jp/museum/index.html・新館ホールにおいて、THE ROGANS http://members.aol.com/rogansmusic のコンサートが開かれました。この日はあいにくの雨模様でしたが、此処は旧朝香宮邸とあって、緑の多い庭園もしっとりとあの暑かった夏ともお別れのようで、却ってすっきりした気分でありました。

何処でどのようにこのコンサートを聞きつけたか定かではありませんが、300人近いお客さんが、それもいわゆる団塊世代を中心に上は70歳代後半から小学校一年生までと、お見事な世代を超えた交歓会と相成りました。

ローガンズの皆さんはそれぞれがエグゼクティブとして日常の仕事に活躍されていますが、それ以上に音楽、それもフォーク・カントリー・ブルーグラスと青春の一時期にのめり込んだ音楽を今尚、熟成・進化させてくれていますから、単に懐メロ大会で、終らないのです。

コンサートそのものも曲数は23曲、途中の休憩を15分程度とっただけのトータル120分のぶっ通しという、スタミナも充分のコンサートでありました。このボリュームは、普段の弛まぬ練習がなければこなせるものではありません。

さらに、他のコンサートではおざなりになりがちな食事・お酒の類も、きちんとしたサービスを伴い素晴らしく、ワイン・シャンパンに至っては立派な銘柄のものばかりで、ボトルの空になるスピードも半端ではありません。

この日は、自然と同世代・同時代の交流会にも展開し、中には40年以上の再会というご同輩も多く見られ、音楽の好きな皆さんの若々しいことに、改めて納得した次第であります。

私世代には、あの懐かしいステューデント・フェスティバルの時代をリバースさせてくれた一日となりました。

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2007年9月14日 (金)

澤野工房・日本の誇るブランド

Img_6404Img_6400澤野工房について

ここは大阪、新世界。「聴いて心地よかったらええやんか」そんな思いで埋もれていた音やミュージシャンを発掘してきました。

「自分が聴きたい作品をリリースする」という言葉をモットーに、優れた音源のみを厳選し、幻の名盤と言われている作品は可能な限りオリジナルに近い形で復刻。そしてヨーロッパをはじめ、世界各国で活躍している無名のジャズアーティスト達にも目を注ぎ、新たな作品を制作しております。

レアであるというだけで埋もれてしまうには惜しまれる数々の演奏・・・それらに光をあて新たな命を吹き込む試みです。

そして今ではジャズの世界でさえも貴重な存在となりつつある「アナログレコード」の作品や、ジャズの楽しさを目で楽しみ、体で感じて頂けるようなオリジナルDVDの制作、コンサートも行なっております。初めてジャズに触れる方にも、ジャズ無しの生活なんて考えられない!という方にもご満足いただけるような丁寧な作品作りを日々心がけております。

人生の潤いとして、毎日のささやかな喜びとして…私どもが自信を持ってお届けするジャズ・コレクションを、心ゆくまでお楽しみ下さい。 澤野工房 澤野由明

知る人ぞ知る、日本のブランド・澤野工房 ( http://www.jazz-sawano.com/ )はジャズ界のみならず、音楽を愛する良識的でリベラルな人の期待を裏切らない企画力と編集力・情報力によって世界のジャズシーンにおいても、独自の世界観を以って貢献しています。いわゆるジャズマニアのもつ閉鎖的な感性とは一線を画した路線を澤野由明の棟梁指揮によってブレのないのが心地よいのでありますCDディスクもバング&オルフセンがなければ楽しくなさそうなグラフィックですが、眺めているだけでも嬉しくなってしまうセンスであります。決して派手な広報活動をしているわけでもないのですが、その情報伝播には空恐ろしいほどのクチコミが機能しているようです。

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2007年8月 1日 (水)

Bill Monroe

Bluegrass1401 写真:小森谷信治

ブルーグラス音楽にはまり出した10代の後半、ビルモンローの潔癖主義とある種の狭い南部感覚に馴染めづ、むしろレスターフラット&アールスクラッグスのポップスに近いブルーグラスの方に、時代の後押しもありましたし明るい未来を感じました。

それでも、歳を重ねる毎にあの独特としか云い様のないリードヴォーカルとアグレッシブなリズムのマンドリンが耳に焼き付いていて、離れません。最近では、むしろ偉大なミュージシャンとして評価されていますから、やはり大事なことはオリジナリティーなのでしょう。同じことはラルフ・スタンレーにも云えて、彼の枯淡の境地に満ちた歌いっぷりは、ビルモンローとは違った温かみがあります。ジャック・クックとの名唱ではラルフ・スタンレーの低音が渋く光ります。( http://www.youtube.com/watch?v=Ob8xo_RL_Jc&mode=related&search )

また、You Tubeから聴こえてくるビルモンローのハイロンサムサウンドは、有難い生き神様が歌っているようであります。( http://www.youtube.com/watch?v=3mYj_uI01u4&mode=related&search

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2007年7月13日 (金)

Hank WilliamsⅢはご機嫌カントリー

Hank_williams01 アメリカを代表する、シンガーソングライターの草分けであり、強烈な鼻声に好き嫌いが極端に分かれたハンク・ウイリアムス( http://park8.wakwak.com/~music/kats/anold/2001/0112.htm )の孫にあたるHank WilliamsⅢの歌をプロモーション・ビデオで見て以来、私はこの歌手の年不相応なフアンであります。

ナッシュビルサウンドの創作以来、カントリーミュージックが都会に媚を売ることが続き、カントリー(田舎)がカントリー(国)の代表音楽となってしまいました。人間というものは身勝手なもので、そんな小洒落たうわべの音楽にも癖々していた頃、登場したのがHank WilliamsⅢであります。Alan JacksonやGeorge Straightなどの正統カントリーの伝統派に属するタイプでしょうが、この若者はもっとファンキーでダーティーなイメージ・マネージメントに則り、極めてトレンディーなサウンド作りに拘っていますし、嬉しいことにお爺さんの若い頃と瓜二つの顔つき以上に声までもがそっくりさんなのです。お爺さんも第二次戦後の時代にはかなりの革新的音楽家でしたから、きっと喜んでいるに違いありません。

表向きにはシンプルこの上ない曲趣が多いのですが、ビート感にあふれたリズムをはじめ、隠し味としてのコンテンポラリーなメロディーセンスが此処彼処にばら撒かれていて、車を運転しながら聴いておりますと、うっかり速度超過になり勝ちであります。

YOU TUBEを検索すると最新のHank WilliamsⅢのグランドオールオープリーのステージがご機嫌ですし、私が最初に虜となった彼の「You Are The Reason」が見つかりましたので、お好きな方々はどうぞ・・・。

Grand Ole Opry http://www.youtube.com/watch?v=VHrnk07N-Hk

You Are The Reason http://www.youtube.com/watch?v=kKXcBme9QMs

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2007年6月19日 (火)

LESTER FLAT&EARL SCRUGGS

Img_7122  私世代にとってブルーグラスの伝道師の頂点にあった、Lester Flatt & Earl ScruggsとFoggy Mountain Boys (http://www.youtube.com/watch?v=u3Itz0rTiMU)のDVDが二枚登場しました。

それも1961年から1962年にかけての絶頂期のテレビ番組を収録したものですから、臨場感もたっぷりです。みごとな呼吸のもと、シンプルな楽曲の構成にも関わらず、人間のエモーションだけで組み立てられるブルーグラスミュージックを、片田舎の音楽から見事に都市のリベラル層にも浸透していったエキスが全て入っていますから、時代風俗史的にもお薦めいたします。それとコマーシャルに、パイレックスのキッチン用品なども登場し、1960年代初期の地方都市にも近代的生活の楽しさが浸透していくニュアンスが読み取れて、嬉しい気分がいっぱいあります。

都会ずれしていないメンバーそれぞれの風貌も微笑ましいですし、Earl Scruggsのフィンガー・ピッキングのギターソロも楽しめて、全くありがたいご時勢であります。それと、今やこの音楽ジャンルの長老となったカーリー・セックラーさんのマンドリン片手の絶頂期の歌声も聴けますから、良い事ずくめであります。

BEST OF THE FLAT & SCRUGGS TV SHOW  VOL1.VOL2( http://shanachie.com/ )

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2007年6月 7日 (木)

Doyle Lawsonのバンドは見事!

Img_7125 気持ちいいテリー・バウカムのソリッドなバンジョー・イントロではじまるドイル・ローソンとク イックシルバー、お待ちかねのセキュラー(非宗教)作品。ジェイミー・デイリーの力強くかげりの ないすばらしいテナー・ボイスを軸に、ユーモラスでキャッチーなソリッド・ブルーグラス曲からカ ントリー/フォーク・バラッド、2曲で味のあるボーカルを聴かせ、そしてご存知のようにすばら しいテクとメロディーをつむぎ出すドイルのマンドリン(オリジナル・インスト含む)、サード・タ イム・アウトから移った正統派(威しフレーズに走らない!)ブルーグラス・フィドルのマイク・ハー トグローヴ(f)、このアルバムを最後に脱退するテリー・バウカム(bj)…、圧倒的なボーカル・ハーモ ニーと鉄壁のソリッド・リズムでもっとも安定した現在ブルーグラスの王道を聴かせるドイル、最 後のディキシーとトム・T.ホール作の曲"Can You Hear Me Now"では自身の出身地近くのカーター・ファミリーのA.P.カーターを意識してか、同じ曲 を78回転SP盤音質で聴かせる。現在IBMA最優秀ボーカル・グループ受賞の連続記録を更新する彼 ら、悠々の最新作である。(BOMサービス)

久々の爽快感たっぷりのブルーグラスアルバムです。

よくもここまでの高音がでて、脳の血管にでも支障がおきないのだろうか・・・などと思うほどのハイテナー・ヴォーカルからコンテンポラリー感覚充満のバンジョー・ヴァイオリン・マンドリンの演奏、そして完璧で熱いコーラスと、ブルーグラスミュージック界において別格といってよいほどのプロ魂の集団を率いるDoyle Lawson & Quick Silver (http://www.youtube.com/watch?v=lLrHv9Nch1A )による正統でありながら、アスリートパワー全開のすっきり・さっぱり出来るブルーグラスであります。

決して安定を求めることなく、常に進化し続けるその姿勢には、保守的な感性の多いブルーグラス界においては飛びっきりのメリハリの効いたサウンドを聴かせてくれますし、何といってもそのスピードとスリルに酔いしれるのであります。おまけにハイスピードでありながら、微妙な表現もきちんと聴こえるところがこのバンドの超絶たる所以でありましょう。

偏屈な観念や小ざかしいテクニック理論などは、とうの昔に過ぎ去ったのでしょうが、彼らの音楽は理論とテクニックが充分な上に、自由奔放に暴れますから、これ以上云うことなしの全曲直球勝負の完全試合のようなアルバムであります。

今年も空梅雨になりそうな気配ですが、この時期には、うってつけと申し上げましょう。

More Behind the Picture Than the Wall Music More Behind the Picture Than the Wall

アーティスト:Doyle Lawson,Quicksilver
販売元:Rounder
発売日:2007/03/27
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2007年5月30日 (水)

朝霧高原・ブルーグラス三昧の日

Img_7065_1 Img_7067_1 Img_7069_1 ご報告がちょっと遅れましたが、26日から27日の二日間にかけて、朝霧高原のハートランドあさぎり中嶋酪農場で、ブルーグラス・フェスティバルが開かれました。昨年は、雨と嵐の惨憺たる状況の中で、やむを得ず急きょレストラン屋内にステージを作って開催され、演奏する連中は目の前の暖炉の照り返しと格闘しながらのフェスでしたが、今年はこれ以上はない!と言わんばかりの快晴・無風でありました。

私も昨年の堀内冬彦さん、フランコ・トラベルソさんの他、超絶マンドリンを弾く柴木健一さん・ブルースハーモニカの貴公子・田中宏禎さんも加わり、さらに楽器演奏の一曲だけは真鶴からその一曲のために駆けつける稀代のフィドラー、佐宗知自彦さんという豪華メンバーでFRONT LINEというバンドで演奏いたしました。

何しろ、ご機嫌な天気ですから土曜日もお昼過ぎにはお好きな方々が既にお見えになってまして、テントの設営に奔走していました。ブルーグラスという限られたジャンルの中で比較的カジュアルなフェスティバルの性格をもった朝霧高原には、新しい世代や、女性層を増えているようですが、何しろ参加する殆どが演奏者ですから、其処彼処で自然と始まるジャム・セッションにはいつもぞくぞくいたします。

Img_7100Img_7096私たちのキャビンは去年よりぐっとバージョンアップされて、寝場所もリビングもキッチンも段違いの清潔感に溢れていました。

  101_50 Img_7101初日は午後5時から午前1時頃まで、二日目は午前9時から午後3時頃まで、各バンドが入れ替わり、立ち代りでしたが、それでも去年よりバンド数は少なく、その分、演奏曲数は増え、楽しませてもらいました。クラシックなバンドからストリート系のバンドに至るまで、少しずつ、時代の風を受けつつ、この偏狭な音楽ジャンルにも変化の兆しがちらついてました。

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2007年5月23日 (水)

ブルーグラスの空気だ!

Bluegrass1001 小森谷信治さんが1974年に出版された『Blue Ridge Mts Friendly Shadows』は、ブルーグラスミュージックの持つ、素朴さ・連帯感をみごとに撮り切った傑作な一冊です。今は既に故人となった演奏者・歌手も多く、その点からも貴重な資料的価値も大であります。

小森谷さんは大手出版社のカメラマンとして活躍しながら、寸暇を惜しんで、趣味のブルーグラス・ミュージックの世界を記録し続け、そのエネルギーは今もって衰えておりません。

毎年、朝霧高原や箱根・夕日の滝キャンプ場で開催されるブルーグラス・フェスティバルにも、その飄々とした風貌を伴って登場すると、周りの空気が柔らかくなるのです。

この写真も、ブルーグラス・ミュージックを愛する人でなければ決して撮ることなどない一枚でしょう。きっと人気バンドで、ステージを終えて次のフェスティバル会場になんとか間に合うように、雨で足場の悪い所を駆け上がって駐車場に向かっているのでしょうか・・・。

実は、これとは逆に、もっと急な坂を上らないとステージに出られないのが『箱根・ブルーグラスフェスティバル』なのであります。雨の確立が高い箱根では、ベースマンが苦心惨憺しながら山登りしている所を何度も目撃しました。そんなに苦労しても、聴きたい・演奏したい、のがこのブルーグラス・ミュージックの世界なのであります。

今年も8月末には箱根のフェスも始まりますが、その前、今月26日・27日には朝霧高原ブルーグラス・ピッキングパーティーが開催され、一年ぶりの再会を楽しみにしているオジサンたちで盛り上がるのでしょう。

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2007年5月 4日 (金)

CURLY SECKLER爺さん頑張る!

01_32 カーリーセックラー爺さんのCD『Bluegrass,Don't You Know』http://www.curlyseckler.net/store.htmがBMO Serviceから届きました。

今年88歳の米寿を迎えますが、益々の老獪ぶりを発揮してあっという間に復活してしまったこのお爺さんこそ、Lester Flatt&Earl Scruggs率いるFoggy Mountain Boysのテナーボーカルで通を唸らせた、バイプレーヤーなのです。この方のとても男の声とは思えないような高音があったからこそ、今日までいぶし銀のような名曲が多く生まれ、ブルーグラス界の頂点を極めたバンドの影の功労者といえると思います。前作、『Down In Caroline』と比較すれば、若干の落ち着きとリラックス感が加算された出来上がりですが、それでも独特のスリル感たっぷりなメロディーラインの組み立てには、他の歌手が到達できない巧みの技と感情表現があって、おまけに支える達人ばかりのバック・ミュージシャンが、尊敬の念を含んで演奏する姿がみえるようです。春先の優しい季節にはうってつけの、長閑さとブルーグラス・スピリッツに溢れた一枚であります。

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2007年4月28日 (土)

Webb Pierceのお気楽カントリー

Wp 最近のカントリーミュージックはしっかりとしたサウンド作りとビジネスとしてのマーケティング戦略を持ち、そつなく時代の受けを押さえていて、昔のようなマニアックな人だけを相手にしていた頃とはその様相が変わってきたようです。逆にいえばどれも同じような音作りに偏ってきたとも云えるわけでもあります。

先週、神戸のB.O.Mサービスから届いた「懐メロ」はすっかり忘れていた1950年代から60年代の、のんびりしていたカントリーのふくよかさを楽しむことが出来ます。歌うは当時の大人気スター・Webb Pierse、高音のシャゥト唱法がお得意で、私世代よりかなり上の方々には今もって同じ歌い方をされる方が多く、東京の週末、銀座あたりのカントリー・ライブハイスではそっくりさんが目白押しです。

どうも最近は、旧いものばかりに目がいき始め、新しいものごとを無視するような癖がでてきましたので、自分の仕事柄、「これはあまり良い傾向とは云えない!」などと呟くありさまですが、こと音楽に関してはどうしても昔の音の魅力を無視できず、もっぱらタイムトリップを遊んでいる有様です。特に、インターネット放送で聞こえてくるカントリーのアーカイブ放送(http://www.wsmonline.com/onair/archives.shtml )には 自分と同世代の聴視者が多いようで、クラシック・カントリーの嬉しい音ばかりがPCを通して聴こえてくるのであります。更に、Webb Pierceの映像http://www.youtube.com/watch?v=QkUwBnlPY_k&mode=related&search を観ると、今の時代には少し時代錯誤とさえ思ってしまうステージ衣装をまとった彼の姿が登場しますが、高く張りのある伸びやかな声が、のどかな時代を彷彿とさせるように聴こえてきます。

It's Been So Long Music It's Been So Long

アーティスト:Webb Pierce
販売元:Jasmine
発売日:2006/05/09
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2007年4月25日 (水)

コミック・バンド?RIDERS In The SKY

Ris 実力のある歌手・演奏者がひしめくカントリー・ミュージック界にあって、商業的な音楽制作に興味を持たず、着々と独自路線を築いているRIDERS In The SKY http://www.youtube.com/watch?v=obi9vfvXoQs&mode=related&search )はコミックバンド的お笑い芸からシリアスな曲趣に至るまで一定のクオリティーを保っています。数多くの優れたアルバムを出していますが、私はこのアルバムが一番の、お気に入りであります。10年前の作品ですが、テーマに採り上げた偉大なカントリーミュージックの巨星「ジーン・オートリー」に捧げたオマージュ曲集です。あくまでも明るく、楽しく、優しくをモットーにしているような彼らの音楽はどうやら子供たちにも人気のようですから、ますます、品格のある面白バンドに育っていくことを楽しみにしています。ジーン・オートリーの歌った曲はそのどれもが美しい旋律と分かりやすい普遍的ストーリーを以って、多くのアメリカ全土の良識的保守層の人々に支持されましたからこそ、次世代の人にも歌い継がれて、伝わっていくのでしょう。

ジーン・オートリー ( http://www.youtube.com/watch?v=ZeybLKfvOkY  ) ジーン・オートリーは若いころ、オクラホマに住み鉄道会社の電信技師をしていた。時々ギターを片手に歌を書いたりして暇をつぶしていたが、ある時お客さんがそれを見て、転職してラジオ局にでも売り込んだらどうかとアドバイスしてくれた(そのお客とはウィル・ロジャース)。それをきっかけにニューヨークへ向かい、世界でもっとも有名な、歌うカウボーイとなったのだ。スクリーンの上で100人以上の黒帽子をかぶった悪者をやっつけ、その後にすずしい顔をして歌を歌ったものである。古いカウボーイのクラシックのほかには、クリスマスのスタンダード「赤い鼻のトナカイ」「サンタが街にやってきた」「フロスティー・ザ・スノーマン」なども披露。こうしたクリスマス・キャロルや、「ディープ・イン・ザ・ハート・オブ・テキサス」「バック・イン・ザ・サドル・アゲイン」といったカントリーのヒット曲で、彼のいかにも豊かな声は世界中の子供やお母さんたちに親しまれ、なんとそれは60年以上も続いている。

Public Cowboy #1: The Music Of Gene Autry Music Public Cowboy #1: The Music Of Gene Autry

アーティスト:Riders in the Sky
販売元:Rounder
発売日:1996/10/15
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2007年4月 4日 (水)

今宵、フィッツジェラルド劇場で!

Img_6123 先日、銀座テアトルシネマで映画『今宵!フィッツジェラルド劇場で』を観てきました。

場内には、いかにもカントリー・ミュージックを「お好きな方々」と見受けられる方たちで、一杯の入りでした。その反面、所謂、映画好きの方と思しき方々が少ないように思われました。私もその音楽に惹かれた一人ですから、映画の場面を勝手にグランドオールオープリーのステージと舞台裏に見立てて、想像力だけを膨らませて観ておりました。   http://www.youtube.com/watch?v=nkjhnCRqDF0

映画が始まるや否や、楽屋のぴりぴりした状況が伝わり、映像そのものがハンディ・カメラを使って撮影しているような、フレンドリーな臨場感のカットに溢れています。

この映画の原案・脚本・出演を果たしたギャリソン・キーラーが1974年以来、今日も続いているミネソタ州セントポールからの公開ラジオ放送番組『プレーリー・ホーム・コンパニオン』の司会を実際にしていることも、パンフレットを読んで知りましたし、この番組が日本でも極東・米軍放送を通し毎週日曜日・午後4時から聴けることも分かりました。( http://prairiehome.publicradio.org/ )アメリカ中西部の良識的守旧派層を占める地域で、比較的リベラルな指向を以って、商業主義的な音楽とは一線を画した『アメリカーナ』ミュージックを幅広く取り上げていて、カントリーからクラシックまで「素朴ながら洗練され、粋であるが流行的でない」ことが番組のコンセプトにあり、全米でも多くのフアンを虜にしている番組でもあるようです。

この実際の番組の設定を元に映画としてのスパイスを混ぜて、ちょっと懐かしい雰囲気たっぷりの出演者が歌うカントリー・カゥボーイ・ゴスペル・ブルース夫々の音楽もたいへん出来がよく、並みのカントリー・ミュージシャンの数段上をいっていました。パンフレットを読むと日本の芸能界とは少し違ったスタンスの性格俳優も多く登場していますし、先ほど挙げましたが、主役の男優が本職は脚本・小説家であり、実際、このフィッツジェラルド劇場を仕切っている本人であろうとは、気付きませんでした。

バンドのサイドメンにはピーター・オストロウスコをはじめブルーグラス界の名人・職人もこっそり顔を出してましたし、なかなか楽しいステージが主役の音楽ドラマ・人生ドラマ映画でありました。

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2007年3月12日 (月)

Chad Mitchell Trio

Cmt 最近は、昔のLPと同じものがCDで,それもダブルでお得な企画モノが増えてますから、私のような人間には、たいそう都合の良い時代と云えましょう。週末、都内のライブハウスも団塊世代の同窓会状態となりつつあるそうですから、それはそれで、結構なことであります。

フォークソングとサイクリングにどっぷり浸かっていた43年前、ビートルズ・ベンチャーズの大流行の中で、フォークソング好きな仲間は、その性格のおとなしい連中が多いことも幸いして、あまり町に出ることもなく、友人の家に集まってはギターを囲んで歌をハモるのでした。そんな頃に知ったChad Mitchell Trioはキングストン・トリオ、ブラザース・フォーとは、又、一味違うハーモニーを持ったフォークグループでした。様々なバンドの音楽を聴き比べながら、私たちの仲間の評価が最も高かったのがChad Mitchell Trioでした。その変幻自在なコーラスと、スローからアップテンポまで表現力豊かな叙情性に、聴き惚れていました。日本では少しづつ、カレッジ・フォークから日本的フォークに移行している頃でしたが、その営業的志向が見え隠れしていましたので、私など、そんなことには眼も向けず、ひたすら、音楽はアメリカ、自転車はフランスと、今で言う、ブランド指向へと傾いて行きました。そして、フォーク・ミュージックからブルーグラス・ミュージックへと興味の対象を、アメリカのルーツ・ミュージックに、さらに深堀して行くようになりました。

The Slightly Irreverent Mitchell Trio/Typical American Music The Slightly Irreverent Mitchell Trio/Typical American

アーティスト:Chad Mitchell
販売元:Collectors' Choice Music
発売日:2003/10/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2007年3月 4日 (日)

Hank Williamsが動く!歌う!

Hw 関西のアマチュア・フォークグループ『Rainy Blue』を率いる小島常男さんのブログ(www.rainy-blue.com) を通して知ったYou Tubeのサイトが素晴らしく、私のようなブルーグラス・カントリー・そしてアコースティック音楽を愛して止まない皆さんには珠玉のような歌手がビデオ映像を通して愉しめます。なかにはこの写真のようにHank Williamsも登場し、Roy Acuffの司会進行で歌いますし、June Carterとのデュエットで名曲「I Can't Help It」を絶妙なデュエットで聞かせます。(http://www.youtube.com/watch?v=Ds2cOOq1RS8&mode=related&search)インターネットの発達で一番嬉しいのは、このような趣味の世界に瞬時に飛び込めることですね・・・。それにしても、アメリカ音楽産業の底知れぬ奥行きの深さと、連綿と続く伝統の伝承をこのサイトを通して垣間見る事が出来ますし、つい上っ面の世界しか見えない日本の芸能界と比較してしまい、その差に愕然とするばかりであります。

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2007年1月22日 (月)

ブルーグラス・親父集団が大騒ぎ

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20日の夜、「銀座ロッキートップ」において、関東の『元祖』、関西の『ニューサウス』がブルーグラス合戦をご披露しました。皆さん、ブルーグラス歴35年から45年というつわものばかりですから、そこらの週末だけ音楽を楽しんでいる輩とは筋違いのお歴々ばかりであります。

「ロッキートップ」もすっかり時代を経て、店内にはタバコと料理油の匂いが浸み渡り、可愛いお嬢さんとはご一緒出来ない男臭さむんむんの店でありますが、この夜ばかりは、めったに見られない組み合わせのライブだったのでしょうか、多数の女性ファンも押しかけて、大盛況となり、立ち見も大勢という状態でした。

『元祖』は、ブルーグラスを元にジャンルを超えた楽しい音楽をコンセプトとした、東京近隣在住のブルーグラス界の魁の集まりですから、奏法・唱法・話しぶり、どれをとっても秀でた江戸前芸の域に昇華しており、又、スリルのある合奏展開は各人が守・破・離 (http://www.showen.co.jp/denseihp/syuhari.htm の段階でいえばの境地にまで達していますから、他バンドの追従を寄せ付けないものであります。かたや『ニューサウス』は1970年代、神戸を中心に活躍した幻のバンドの復活第一回、ライブでありましたが、その独特の音楽展開、関東のバンドには見られない、細く高いハイロンサムな歌い方に、30年ぶりの思い出が一気に駆け巡りました。

ぎっしりと詰まった客席にも、この夜の楽しく、和んだ雰囲気が行き渡って、めったにない楽しいブルーグラス大会でありました。

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2007年1月13日 (土)

COWBOY COPASの誠実カントリー

Cc 何の拍子か知りませんが、このところ旧いカントリーミュージックを聴きなおしています。多分仕事柄、都市型の流行を追う業態とのお付き合いが多いのが一番の原因かも知れません。いつも頼んでいる神戸のB.O.M.サービス( http://www.bomserv.com/NewsLetter/newsletter.html) から届いたのが、殆ど誰も聴いたことが無いと云えそうな、1950年代から1960年代前半のスター歌手・COWBOY COPASのタイトルも、ずばり[TENNESSEE WALTZ]です。

1945年から1951年に録音されたものを2002年に復刻版として再販されたもので、現在のような圧倒的な音量とは異なり、モノラル録音の渋い音ばかりですが、この音楽ジャンルにはむしろ相応しい気さえしてきます。曲趣も「これほどストレートなカントリー・ミュージックもないだろう・・・!」と納得してしまうほどの定番曲が目白押しでありますし、誠実一筋としか云いようの無い歌いっぷりが作為のかけらもなく、心地よいのです。又、なにしろ26曲もあって、ほとんど3分以内で終わってしまうのも、私のような年を重ねる度に、せっかち度数が上がっている者には好都合であります。ソリッド・シンプルな曲ばかりをBGMとして流していても気にならないところが、やまかんで購入したには、当たりのアルバムでした。

Tennessee Waltz Music Tennessee Waltz

アーティスト:Cowboy Copas
販売元:Living Era
発売日:2002/10/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2007年1月 7日 (日)

CHARLIE PARKERで鳥の気分に!

Cp1 Cp2 CHARLIE PARKER

アルト・サックスの巨人、チャーリー・パーカーはモダン・ジャズの父と呼ばれるべき存在である。カンザスシティ出身のパーカーは40年にニューヨークに拠点を移し、ジェイ・マクシャンのビッグ・バンドの一員として活躍した後、アール・ハインズやビリー・エクスタインなどと活動した。そして、パーカーは52丁目にある小さなジャズ・クラブで演奏活動を行うようになる。ここではトランペット奏者ディジー・ガレスピーを中心としたミュージシャンの一団が音楽で新境地を開拓していた。この「ビバップ」の演奏者たちは既存の楽曲や編曲された作品を取り上げるのではなく、即興演奏にその主眼を置いていた。小編成のグループごとに猛烈なテンポで演奏を繰り広げ、ジャズの和声とリズムを容赦なく革新していったのだ。だが、パーカーの演奏は決して実験的な色彩を帯びてはいない。むしろその音色は優雅で、はつらつとしており、温もりとメロディが満ちあふれていた。伝統主義者たちの多くはこの新しいサウンドを認めようとしなかったが、パーカーの音楽はジャズ界を虜にした。ビバップ以降ジャズは小編成での演奏が主体となっていき、その革新的奏法は現在ではモダン・ジャズにおける即興演奏の基本テクニックとなっている。

 音楽とはジャンルではなく、そのティスト(趣き)で自由に楽しむものであるべきものを、この日本において、とくに私世代は、仕事に対する価値観と同様に、生涯ひとつの音楽の世界を追求することが至上の価値であるように思われていました。しかし、ようやく今の若い人たちは、世界の古今東西・古典から前衛までの音楽を、自由自在に遊泳するコスモポリタンのように縛られることなく、楽しむようになってきました。

 私がジャズ界の中に、古典性と高雅性を隠し持つアーティストがいることに気が付きだしてから、まだそれほどの年月を経たわけではありません。それでも刷り込み観念として抱いていたジャズの世界の表現の幅が、他のジャンルよりも圧倒的に多いことに気づいたからこそ、自分が楽しめる世界の幅もぐっと広がったと云うものです。

  このCHARLIE PARKERの[THE MASTER TAKES]もそんな高い音楽性と美しい音色に飾られ、高雅な気分を湧き上がらせてくれるアルバムです。辣腕プロデューサー、ノーマン・グランツの手による弦楽奏団とのコラボレーションでありますが、実に気持ちがパーッと解放されるような音の連なりに終始しています。ミッチ・ミラーのオーボエ、レイ・ブラウンのベース、マックス・ローチのドラムスもポイントを抑えつつも控えめな音作りに徹していて、嬉しいほどの大人の音楽です。

 膨大な音楽のジャンル・アルバムから自分に合ったものを選びだした時の嬉しさというものは、他の買物では味わうことの出来ない,独特のものですから、演奏するにしても聴くにしても、音楽ほど永く生涯の趣味として付き合っていくのに相応しい世界は無いと、以前にも増していっそう強く思うようになってきています。

Charlie Parker With Strings: The Master Takes Music Charlie Parker With Strings: The Master Takes

アーティスト:Charlie Parker with Strings
販売元:Verve
発売日:1995/01/24
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2007年1月 4日 (木)

メロンのライブ!

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毎年、年末の土曜日に開かれる『メロン』という可愛いバンド名のブルーグラス音楽を中心とした ライブは、赤坂のカントリーハウスという、この世界の老舗で12月30日に開かれました。

この手の音楽はお客の動員も少ないのが常でありますが、このバンドだけは、自ら「ビジュアル系」と称すほど団塊世代の洒落者ばかりが集まっていますから、自然、そのタイプをお好みの女性層も多く、この日も店内、大盛況でありました。

皆さん、視力が落ちているにも関わらず、歌詞も全てしっかりと暗記されています。それでも、突然、ど忘れ状態にでも陥ると、そこは巧く笑顔ですり抜けもし、このあたりの慌てず、騒がずといったゆとりが、又、たまらないのであります。皆さんお持ちの楽器は40年以上経っているものが多く、音質も最近の楽器では響かない独特のサウンドが唸ります。

音楽監督のHO内さんのギターソロも昔のような緊迫感がなく、肩の力も抜け、おまけに古今亭志ん生のような巧みな、間の喋りが絶妙であります。この、ブルーグラスという音楽ジャンルを、「日本の感性」にまで昇華し始めた『メロン』は、何時行っても飽きない、楽しい大人のブルーグラス・バンドなのであります。

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2006年12月26日 (火)

The Pied Pipersに聴き惚れる!

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1940年代のアメリカジャズコーラス界にあって、そのロマンチックな表現を通してアメリカ全土の一般大衆の支持を受けたTHE PIDE PIPERSの音色は、秋から冬にかけてはひとしおグッと来るものがあります。柔らかく、メランコリーな空気に包まれたコーラスには、当時の録音技術が今ほどでないことが逆に幸いして、たまらないほどの、豊かな気分が高揚してきます。さらに、トミー・ドーシー楽団の心地よいスゥイング満点の演奏が追い討ちをかけるように、ある一時代のご機嫌な気配を満喫させてくれます。現在のような冷暖房完備・照明も明るすぎるような住まいの中で聴いても、気分は盛り上がりませんが、清里・清泉寮に代表される石の暖炉・暗い照明などの空間に身をおいて、スコッチ・ソーダなどを戴きながら、じっくり聴いてみたいアルバムです。この写真のアルバムは現在廃盤のようですが、調べますとかなり他のアルバムも発売されているようです。

たまには、レトロ感たっぷりの音楽に浸かって世俗の気ぜわしさから離れるのも、心身を浄化するのにご機嫌な手段で、効果もてきめんであるようです。

THE PIED PIPERSに関して:( http://www.ozsons.com/piedpipers.htm )

トミー・ドーシー楽団に関して:( 1935年から195353年の間に、トミー・ドーシー率いるビッグバンドはなんと200曲近いシングル・ヒットを飛ばした。スウィング全盛の頃、ミュージック・シーンにはジャズ・バンドやダンス・バンドの他にスウィート・バンドというのもあった。ドーシーのバンドは一流の、これ以上はないというほど甘ったるいダンス・バンドであると同時に、まるで大リーグの強打者、今は亡きロジャー・マリスのようにスウィングする力量を持っていた。トロンボーン奏者のドーシーは途方もないほど素晴らしいブレス・コントロールの持ち主で、それはジャズ・ミュージシャンたちばかりでなく、彼の楽団のスター歌手だった若きフランク・シナトラも参考にするほどだった。ドーシーのビッグバンドにはフランク・シナトラの他、バディ・リッチやジョー・スタッフォードらが40年代初頭に在籍していた。いずれのアーティストもその後ひとり立ちして大成功を収めた、そうそうたるメンバーだ。:goo音楽)

Dreams from the Sunny Side of the Street Music Dreams from the Sunny Side of the Street

アーティスト:The Pied Pipers
販売元:Jasmine
発売日:2005/05/23
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2006年12月17日 (日)

ブロードサイド・フォーのライブ

Img_5251 Img_524812月13日に、赤坂『Old Friends Barhttp://oldfriendsbar.com/ においてブロードサイド・フォーのライブがありました。私世代には素晴らしいハーモニー・見栄えの良さ・お育ちの良さ と三拍子揃った、他とは格の違いがあったフォーク・ソング四人組(黒澤久雄・鶴原俊彦・横田実・山口敏孝)でしたが、今も変わらず素晴らしいオーラを発光しています。皆さん還暦も過ぎ、昔のような緊張感に溢れたステージとは異なって余裕綽々の大人のステージをたっぷりと見せてくれました。黒澤久雄さんの毒舌も変わることなくバンドの面々を叱咤激励しますが、そこは老人力もついてきたことですから、他の皆さんの切り替えしも又、楽しい会話となっていました。40人も入れば満員の程よい店のスペースも満員で、忍んでいたせんだみつおさんも、黒澤さんの超ど級の毒舌にもめげることなく、にこにこしていました。二回のステージで20曲以上を歌い演奏されたのですから、お歳を考えれば大変なパワーであります。この日は、聴きに来ていた小松久さん(元・ビレッジ・シンガーズ)とのコラボレーションもあって、ミュージック・チャージのお値段の安さに反比例した豪華なひと時でありました。

音楽を生涯の友としている人々の集まりというのは、他の世界の集まりより断然、純粋で楽しく、だからいつまでも続いているのでしょう。この日も同窓会・同世代の集まりの様相を呈していましたが、皆さん、音楽のおかげでしょうか・・・、お年と比較すれば間違いなく相当にお若い空気が充満しておりました。

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2006年12月15日 (金)

クリスマスソングの横綱!

Wc この時期、クリスマス商戦は常軌を逸していて、ホテルのディナー・ショーからお子様の玩具まで日本中の商売に関わる人々が血相を変えて企画に血眼となりますが、受ける側は懐具合と自分のテーストを元に比較対象しながら考えればよいのですから、こちらはお気楽です。毎年決まってやって来るこの恐怖の季節イベントほど仕掛ける方の力を試されるものは無く、そのしんどさといったら、全くの涙物だそうであります。

 こと左様に、クリスマスの本来の意味とすっかりかけ離れてしまった感のある日本のクリスマスでありますが、それでもたまに、これはめっけものだと微笑んでしまうものに出くわすあたりが、東京のもつ面白さと云えるでしょう。

 さて、このCD,仕事でなければまず降りることなど一生無いと思われる地下鉄東西線・南砂町駅付近の100円ショップで帰りがけに目にしたものです。表紙の分かりやすいキャラクターに中身も確認せず買って家に戻り、ゆっくりと歌い手などをみていますと、おやおや、各分野のお歴々ばかりが並んでいます。クリスマス・ソングの神様、ビング・クロスビーに始まりフランク・シナトラ、ルイ・アームストロングからカントリーの大御所、ジーン・オートリー、ジミー・ディーンに至るまでアメリカ音楽界の懐かしのオールスター戦であります。スウェーデン製のこのCD、どうやら人気があるようで山積みの量も腰高までありました。場所柄、どんなお客さんが買われていくかは判断つきにくいのですが、当然、焼肉屋・パチンコ屋でも一斉にこのCDが成り始めたたなら、なかなか、微笑ましい街の様子となりそうです。

Nr 一通り聴きましたが、なかなかの美しいまとまりで、もう完全に、ノーマン・ロックウェルの世界そのままを音楽で表現したようなものでありますから、家庭の温かさを求めるお独りの方にもお奨めであります。

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2006年12月 6日 (水)

カウボーイソング・Don Edwards

Bw1  この季節ともなりますと、渋い大人の歌声を聴きたくなります。シャンソンでいえばシャルルトレネ、カンツオーネでいえばジョセッペ・ディ・ステファノといったひと昔前の歌手のヨーロッパの歌声もぴったりの頃ですが、今日あたりは、アメリカを代表するカウボーイソングの歌手、ドン・エドワーズさん( www.donedwardsmusic.com )の哀愁と誇りに満ちた歌声にしばし耳を傾けたくなります。永くこのカウボーイ・ソングというジャンルに拘りながらも、時代に合ったサウンド作りにも積極的で、静かな中に剛毅さをを忍ばせている感性に私は14年程前からフアンとなりました。伝統的なカウボーイ・ソングからブルーグラス奏者とのコラボレーションなど、アルバムは出す度にコンセプトが明快で、単なる一歌手とは到底思えません。Western Jubilee Records(www.westernjubilee.com

) という音楽制作会社を経営されていることもあるのでしょうが、きちんと時代の趨勢を読み取って数年に一枚という寡作の人であるところが、グッと来るところなのです。甘い歌を唄うと天下一品でありますし、渋さと気骨さの風貌もカウボーイそのものですし、この時期、私の一押しであります。

さて、マイケル・ジョナサンというフォークシンガーが主宰するWoodsongs Old Radio Hours (http://www.woodsongs.com/showlist.asp )のサイトでShow Number 413のVIDEOをクリックしますとDon Edwardsのライブの様子をご覧いただけます(二番目に登場する白いテンガロン・ハットの方です)。このサイトはアコースティック音楽を生涯の友としている「お好きな方々」の中で話題になっている音楽番組で、フォーク・ブルース・カンントリー・ブルーグラス・ケルティックなどいわゆるアメリカン・グラスルーツミュージックと呼ばれるジャンルの中から、良質なバンド・歌手が次々と登場してきます。このような番組が存在すること自体、民衆の伝統を次世代に繋げるもうひとつのアメリカの健全性を示すものでもありますし、逆に日本の芸能・音楽番組の薄っぺらさを再認識する上でもなかなかの番組であります。

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2006年11月 6日 (月)

モダン・レトロなマンハッタン・トランスファー

Mt1 マンハッタン・トランスファーは1972年に結成され、アメリカで最も権威のある音楽賞・グラミー賞をこれまでに10度受賞している、名実共にヴォーカル・ユニットの最高峰である。

1980年の「バードランド」でのグラミー初受賞以来、ポップスとジャズの2部門同時受賞や2年連続受賞など、次々と金字塔を打ち立ててきた。また1985年にリリースされたアルバム「ヴォーカリーズ」は12部門でノミネートされ、マイケル・ジャクソンの「スリラー」に次ぐノミネート数で大きな話題となった。
日本においては、有名SF映画「ミステリー・ゾーン」のテーマ曲であった「トワイライト・ゾーン」が大ヒット。その後サントリー・ウイスキーや伊勢丹などのテレビCMにも登場し、その人気を確立した。来日公演も積極的に行っており、彼らのステージではその完璧なハーモニーだけではなく、ドラマ性のあるパフォーマンスなど視覚的にも楽しむことができ、まさに "本場アメリカのエンターテインメント"を見せてくれる。
デビュー34年が経った今も、彼らは常にコーラスの可能性を追及している。ジャズに限らず、ボサ・ノヴァやロック、ポップスなど、その表現力の広がりはとどまるところを知らない。(ハーモニー・ジャパン)
1997年に発表されたマンハッタン・トランスファーの「SWING」というアルバムは全曲ジャズのスタンダード曲ばかりの、それも飛びっきりの上質な音作りの職人が練りに練った妥協の一文字さえも浮かんでこないパーフェクト・アルバムです。抜群のハーモニーを聴かせるマンハッタン・トランスファーのバックアップを任された面々も半端ではなく、リッキー・スキャッグス、ステファン・グラッペリ、マーク・オコナー、ローゼンバーグ・トリオとブルーグラス界からジャズ界までのお歴々を従え、そもそも本来音楽作りはこうあるべき、の見本帳のような職人芸満載の一枚であります。全体を通してレトロな記憶に残っている音色を差し込みながらも、プロとしての現在感覚も頑なに主張するあたりは、この国の同業者とは雲泥の差であります。
 秋深まるこの時期ともなりますれば、かくも上質な音を支えにしっとりと時を過してまいりたいものであります。もう目先の子供相手しか頭にないこの国の芸能・芸術を見限って、上質な世界の音楽をインターネット放送という宝箱から探し求めるしかありませんね・・・。Google Earthを回しながら地球上の見知らぬ国を俯瞰して見ながら、聞いたことも無いような国の放送局から聴こえてくる地元に密着した音楽に浸っていると、デスクトップ・コンピューターの思いもよらなかったイメージの広がりという機能を見出せた気分が嬉しく、相当に大人の良い趣味として遊べます。

Swing Music Swing

アーティスト:The Manhattan Transfer
販売元:Atlantic
発売日:1997/06/24
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2006年10月25日 (水)

エラ・フィッツジェラルドが歌うコール・ポーター

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この季節ともなると明るく軽いサウンドの音楽よりも、読書と同じ感覚でゆっくりと聴きこむ音楽に気持ちが移ってしまいます。私はカントリー・ブルーグラスといった野趣に富んだ音楽を生涯の友としている一人でありますが、この年ともなると優柔不断と云う老人力が備わってきますから、年がら年中バンジョーの音に浸っているわけではありません。秋の紅葉も里山まで降りてくる今日あたりは、エラフィッツジェラルドの大名盤「コールポーターソングブックVol.1・Vol.2」で決まりでしょう。

今から20年ほど前、会社勤めをしていた頃のニューヨーク出張で時間を見つけては入り浸っていたレコード屋で流れていたこのアルバムが、場所も場所だけに胸に迫るものがあって、LPを二枚購入しました。10月のニューヨークはインディアンサマーの時期ともいわれ毎日の気温の上下が激しく、東京では考えられない気候に体調管理に神経をそそぎました。会社の定宿であった「Algonquin Hotelhttp://www.algonquinhotel.com/はいわゆるグランド・ホテルではありませんが、いかにもニューヨークといった感じのクラシックな佇まいで朝からビジネスマンたちの朝食会議なども見ることが出来、私には別世界の一週間でしたからこのレコードとともに良き思い出であります。

さて、1956年発表のこのアルバムは今も売れ続けている長寿・大人気盤であります。ポール・スミスのピアノ、バーニー・ケッセルのギター、ジョー・モンドラゴンのベース、アルヴィン・ストーラーのドラムスという職人芸の布陣も素晴らしく、さらに、編曲・指揮のバディ・ブレグマンの編集力により、都市のもつ豊かさと近代性を音楽に託したことがこの名盤がいつまでも世界中で人気の衰えない所以なのでしょうか。もちろんコールポーターという不出世の天才が居たからこそは、云うまでもありません。

それにしても、エラが表現する世界のなんと美しいこと!。そしてジャズファン以外の多くの音楽ファンに彼女がアピールすることを信念として実現化させた大プロデューサー、ノーマン・グランツが素晴らしい。新しい領域に向けたビジネスと普遍的な高い音楽性の両軸がみごとに同調した20世紀・音楽史上の大傑作のひとつです。

Music

Ella Fitzgerald Sings The Cole Porter Songbook

Ella Fitzgerald Sings The Cole Porter Songbookアーティスト:Ella Fitzgerald
販売元:Verve
発売日:1997/06/24
Amazon.co.jpで詳細を確認する

Algonquin Hotel 1902年創業のニューヨークの老舗ホテル
  ニューヨークのホテルはほぼミドルタウンに集中しているが、ご紹介するアルゴンキンホテルは、1902年創業のニューヨークの伝統的な雰囲気を味わえる。アルゴンキンホテルは59西44ストリート、5番と6番の間に位置しており、タイムズスクエアまでものの数分。ジャズクラブのバードランドまでは10分程度。夜のニューヨークを満喫するには最高のロケーションである。
  もっとも、古いホテルだけあって、近代的で快適な部屋ではないが、調度品、部屋の雰囲気などを満喫できる。ホテルのラウンジでゆっくりと時間をすごす方なら、100年の歴史を味わうことも含めて最高のホテルだろう。日本語で書くとアルゴンキンなのだろうが、実際そう発音してはまず通じない。発音に近い表記では、アルゴォンクェゥイかな。タクシーの運転手にはまず通じないので、ホテルの名前と住所の紙を手渡すのが確実。

The Algonquin Round Table
  第一次大戦後、ニューヨークの文人達が毎日このアルゴンキンのレストランに集まり、昼食を取りながら仕事やら世相について話し込んでいたという。アルゴンキンの円卓からは、雑誌ニューヨーカー(February 21, 1925)も生まれていった。そうして伝説になったアルゴンキンの円卓は、いまもレストランの中心にNatalie Ascencio(ニューヨーカー、ニューヨークタイムズなどで活躍)によって描かれた美しいイラスト調の絵画として語り継がれている。描かれているのは、Dorothy Parker、Robert Benchiey、など11名とネコのマチルダ。絵のタイトルは、A Vicious Circle。

 
このレストランの朝食はなかなかよろしい。せわしい大型のホテルとは味もサービスも違う。朝のゆっくりした時間を楽しみながら、ぜひ、歴史のあるホテルを楽しんでみては?(永山辰巳)

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2006年10月22日 (日)

井上タロー・佐々木四郎!池尻合戦

Img_4726 毎月第三金曜日・池尻大橋にあるChadにおいて、恒例のアコースティック音楽・とくにブルーグラス大好きおじさんの会が開かれます。オーナー・堀内冬彦さんの命名で今後はこの日を「シルバー・グラスの会」と呼ぶそうであります。先月の会に集まった達人の皆さまに負けず劣らず、この日(10月20日)は若手マンドリン・プレィヤー・井上太郎さんとうなりをあげる最速・最強ギタリスト・佐々木四郎さんの楽器の格闘技合戦と相成りました。

井上太郎さんは神戸のブルーグラス・ミュージックの殿堂・B.O.Mサービスを主宰されている渡辺三郎氏の長男で、3歳のときにはビルモンローの腕に抱かれている写真もあるほどですから、そのDNAは保証付きであります。マンドリンの音色は他のプレィヤーのように最速・デカ音を目指さず、あくまでもきれいな繊細な音を紡ぎだすことに努めています。かたや、佐々木四郎さんは、ケーキ作りの達人からスタートして今や某大手商社の食品分野の開発の重要メンバーとして活躍されています。そのギター奏法も基礎をがっちりと固めた上で自由自在・天衣無縫といった音色が店内を飛びまくります。この日、たっぷりとお二人のコラボレーションを聴かせていただきましたが、突然井上太郎さんが超絶テクニックの早弾きを始めますと、さらにターボエンジンのように加速した佐々木さんのギターが唸りをあげました。こうなると留めを知らない喧嘩奏法状態になるのが、ブルーグラスの演奏家の落ち着く先ですが、このお二人、さすがに百戦錬磨の大人と見受け、エンディングは優しいブレーキのように静かに止まりました。

井上太郎さんは来年2月頃からChadにおいてライブをする予定のようですから、また寄り道する楽しみが、ひとつ増えました。

ビル・モンロー 伝説的なバンドのリーダーや、シンガー・ソングライター、さらには革新的な演奏者として、ビル・モンローが現在のカントリー音楽の発展に与えた影響の大きさは計り知れない。それは、マディ・ウォーターズとロックの関係に匹敵するといえるだろう。ギター、アコースティック・ベース、フィドル、マンドリン、バンジョーで構成されるブルーグラス。このスタイルを最初に定着させたのも、このモンローである。36年にレコーディング活動を開始した彼は、バンド・リーダーとして、革新的な演奏者を求めつづけた。バンドはマンドリンの速弾きで有名な彼を中心に、まるでジャズ・コンボのような演奏スタイルを確立していったのだ。それはヴァースとコーラスの間ですべてのメンバーがたっぷりとソロを弾くというものである。バンジョーの名手アール・スクラッグスと、ギター奏者でもあるレスター・フラットの感傷的なヴォーカル(最もよく知られているラインナップ)にも助けられ、モンローは40年代から50年代にかけて「フット・プリンツ・イン・ザ・スノウ」や「ブルー・ムーン・オブ・ケンタッキー」など多くのヒット曲を残した。後者は54年にエルヴィス・プレスリーがサン・レコードで録音した曲でもある。こういった作品で聴かれるビル・モンローのタイトでハードにドライヴするサウンドは、ロカビリーの誕生に(さらにはホンキー・トンク・ミュージックにも)直接的な影響を与えた。そして、96年に亡くなる直前までレコーディングを続けたモンローの功績や栄誉を称えて、多くのトリビュート・アルバムが制作されている。

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2006年10月14日 (土)

Patsy Clineの歌声!

Patsy_cline101Patsy_cline201パッツィ・クラインはいつの時代にも偉大なカントリー歌手のひとりにあげられる。彼女の死後、あらゆる女性ミュージシャンが立ち上がって、ナッシュビルを超えるカントリーやポピュラー・ミュージック界で彼女の功績を認めるよう運動が起きるほど、多くの女性歌手に影響を与えた。その奥深くロマンティックなレコードと脳裏に焼き付く声には背筋ゾクゾクするが63年3月5日の早すぎた死によって、不滅のカントリー歌手伝説(例えば、ハンク・ウィリアムスやグラム・パーソンズのような)をつくりあげたと言える。95から60年の20近いシングルを出し、そのうち「ウォーキン・アフター・ミッドナイトだけがヒットした。60年以降は、キティーウェルズやブレンダ・リーの方がふさわしいロカビリーやお堅いバラードなどを唄うのはやめた。この時期がまた、レコード会社との契約が切れる頃だったという事実が彼女の成功を妨げたようだった。法律的、芸術的紛争から解き放たれてずっと唄いたがっていた「クレイジー」や「アイ・フォール・トゥー・ピーシーズ」のような曲で自信をつけ、クラインのヴォーカルにはゆとりがでてきたようにみえた。後者の曲はカントリー・チャートで第1位になり、ポップ・チャートでは第12位になった。スターダムを駆け上がって2年後、30歳の若さで飛行機事故により亡くなるまで、カントリー・ポップ・チャート・クロスオーバーのレコードを出した。彼女のレコードのエモーショナルな演奏と唄は、ロレッタ・リン、ウィリー・ネルソン、k.d.ラングなど多くの人に感動を与えコピーされ続けている。(goo音楽より)

秋の気配が漂う頃ともなると、私世代ならびに先輩諸氏にはPatsy Cline(1932~1963) の愁いのある歌声がぐっと切なく胸に迫るのであります。カントリーミュージックが都会の洗練された大人を対象に、曲趣・音色を意識し始めた黎明期の珠玉の名曲を遺した彼女の音楽には、アメリカの健全な良識保守派層の生活価値観が歌詞に解りやすく 組み込まれていて、私のような刻々と豹変する都市商業に関係する仕事を生業としている者にとってはもう戻れない、美しい特定の時代の、その象徴のようなメロディーと歌詞を謳いあげる歌姫であります。残念ながら日本ではそれほど多く知られている歌手でもありませんから、御託をのべても如何なものかと思いますが、その大柄な体型からは、想像もできない繊細な感情表現たっぷりの歌を一度聴いていただきますと、所謂ポピュラー・ミュージックの世界にも、商売・流行・風俗とは一線を画す独特の普遍的表現の世界があることを、お分かりいただけるかと思います。

この写真はElkton_jubilee_parade195811958年、ウェスト・ヴァージニア州、エルクトン町の式典パレードに登場したPatsy Clineは人気絶頂の頃ですが、私はどうしても彼女以外の車やパレード見物する群集のファッションに眼が移ってしまいます。この数年後に日本で一大旋風が起こるIVY FASHONの雛形のような恰好が随所に見られますから、ここは農業中心の南部の潔癖な保守層が暮らす町ではなく、東部に近い比較的進歩的な町のようです。

やはり彼女の表現する歌はその内容からして、新しい時代の流れを認めたがらない南部よりも進歩的自由主義層(リベラル派)の多い、中東部地域で人気があったのかも知れませんね・・・。

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2006年9月22日 (金)

ブルーグラスの新星!

Bluegrass101_2オズボーン・ブラザーズへの敬愛とアーリー・ブルー グラスへの深いリスペクトを持って、昨年秋のデビューから1年、ザ・グラスカルズ、行けイケ!の最 新第2作である。なんとデビュー1年でIBMAのメイン・アワードである最優秀エンターテイナーにノミネート、 その抜群に高い評価を物語る。何年もの間、ステーション・インで毎週火曜日に出演をつづけたザ・サイドメ ンの発展形である彼ら、ドリー・パートンの強力なサポートも手伝って、今やブルーグラス界の最高峰の地 位にのし上がった。テリー・エルドレッジの魂のこもったボーカ ルとジェイミー・ジョンソンのテナー・ボイ スを武器に、スクラッグス/クロウ系列のトップ・ミュージシャンとされるデビッド・タルボット、10代 でジミー・グドローやベラ・フレックとのスペクトラムで来日、その後、ドリー・パートンやガース・ブルッ クスでカントリーしていたジミー・マッティングリー、ゴスペルの世界で成功したニューグラス・バンド、 ニュー・トラディションで20年近く活躍してきたダニー・ロバーツ、そしてビリー&テリーで知られるテ リー・スミスの6人。ゲストに今カントリー界話題のダークス・ベントリー、超大物ジョージ・ジョーンズ、 ジョーダネアーズ、スティーブ・ウォーリナー。テリーのものすごい押し出しのリード・ボーカルと、ジェイ ミーのテナー、デビッドのトーン/タイミング完璧バンジョー、トラッドグラスのすべてを揃えつつ、前作か ら大進歩を遂げた圧倒的なアンサンブルで、カントリー市場をも飲み込みそうな本物のカントリー(田舎) の魂を聴かせる。ちょうど60年前の"Will You Be Loving..."も嬉しい。こりゃすごいバンドだわさ。テリーとデビッドがうま過ぎるぞ!! ( BOMサービス www.bomserv.com/NewsLetter/newsletter.html )Bluegrass201

ブルーグラス・カントリーミュージックの伝道師、BOMサービスの秋元慎さんが大推薦のThe Grasscals( http://www.grascals.com/ )Long List of Heartachesが届きましたので、すぐ開封して聴きました。いいですねー!。私世代にも聞き覚えのある、あのオズボーン・ブラザースを彷彿とさせつつも、そこは今の音Bluegrass301_1作り・リズム作りも明快で、メリハリのある演奏と抜群のブルーグラス・ボーカルとコーラスが爽快な気分にさせてくれ、閉塞感に満ち溢れたこの日本のよどんだ空気を浄化してくれます。私はブルーグラスミュージックを 、生涯の友とする者の一人でありますが、かといって、それほどのめり込んでいるわけではありませんから、「お好きな方々」のような専門レベルの話題にはお付き合いできません。それでもこのアルバムにはブルーグラスとしてのソウル・スピリッツが十二分にあふれ、其の音の厚みに今の時代感性を持たざるを得ません。最近のブルーグラスには時代の流れなのでしょうが、ケルトの影響をうけたスコティッシュサウンド・テーストのアルバムが目立ち、そのマニアックな音作りに私はあまりついて行く気持ちになりませんでしたからその鬱憤もこの一枚で消し飛びました。比較的ボーカル・コーラスを楽器演奏よりも軽く見がちだった日本のブルーグラッサーにも、若い世代を中心に、The Grasscalsのような聴かせる・魅了するグループが登場するのも、それほど先の話ではなさそうであります。

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2006年9月21日 (木)

ブルーグラスの傑作!

Bluegrass101_1Bluegrass901 Bluegrass601 Bluegrass401私がブルーグラス・ミュージックに惹かれていったのは1960年代の中頃、フォークソングが流行り、キングストン・トリオのスカッとしたサウンドに惹かれていくうちに彼らの音楽背景にブルーグラスという音楽領域があることを知ったからです。荒々しいなかに哀愁がほのかに漂うキングストン・トリオの音色にはブルーグラスのエキスが注がれているのか!・・・などと勝手に思い込んでブルーグラス音楽のLPを探し求めましたが、なかなか自分にピタッとくるものには、出遭う事がありませんでした。その後、おおきく時代の価値観が変化しだした1970年代に入り、当初アメリカ西海岸の若者を席巻したヒッピー・ムーブメント、ホール・アース・カルチャーなどのカウンターカルチャーの影響がアメリカ全土にも浸透した1974年、本場ブルーグラス・フェスティバルの世界を写真の力で記録した一冊が、たった一人の日本人の若者によって出版されました。

[Blue Ridge Mts Friendly Shadows]というタイトルの写真集がそれです。出版社の写真部に在籍しながら趣味のブルーグラス・ミュージックをことある度に記録されていた小森谷信治さんが20歳代中頃に自ら自費でアメリカに出かけ、ブルーグラス・フェスティバルの様子を撮影・出版された大傑作の写真集です。1974年当時、この写真集にすぐ飛びつきページをめくる度に、この時代の若者の風俗・文化がアメリカの典型的保守・良識層が支持するカントリー・ブルーグラスの世界にも浸透しだしたことが一目瞭然であることと、日本ではレコードを通してしか判らなかったブルーグラス・フェスティバルの臨場感がぞくぞくするほど、伝わってきました。この写真をみても、大御所と若手新興勢力とのジャム・セッション、ビル・モンローが仕切る一般演奏家とプロのジャム・セッションなど、単にブルーグラス・ミュージックに留まらないある時代の流れを読み取れる、すばらしい一冊であります。

残念でありますが今は絶版となってしまい、私の所有している一冊も繰り返し見たのでもうぼろぼろとなり本としての体裁を保っていませんから、いずれ神保町あたりでの偶然・奇跡の再会を願っています。

さて、この時代(1970年代)には、ブルーグラス・ミュージックの世界にも新しい表現の可能性を求める多くの優れた演奏家が登場し、素晴らしいアルバムを遺しています。、その多くはブルーグラス・ミュージックを閉鎖された保守的な世界から開かれた革新的世界へと引きずり込んだ名盤として、今日でも私世代はもちろんのこと、若い世代にも聴き継がれていますし、その変革の志の伝承は今も脈々と次世代へと伝わっています。日本国内のブルーグラス・フェスティバルなどで、若い世代のバンドがその音色・リズム・構成などに趣向を凝らしているのを観ると、嬉しくなってしまうのであります。

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2006年9月19日 (火)

音楽を愉しんだ時代!

101_26 501_1 201_20 301_5 私にとって、音楽が生活に欠かせないものとなってから、45年以上の年月が経ちましたが、この2年ほどで更に音楽の供給と需要のバランスがすっかり変わってしまい、個人が自分の意志でいつでも・どこでも・なんでも一曲から購入できる時代となってしまいました。要は、業界が握っていた時間・場所のイニシャティブを、殆ど個人に明け渡してしまった、ということなのでしょう。音楽は個人の心に飛び込んでくれる最もエモーショナルな表現のアートですから、今の状況がある意味では理想の姿なのでしょう。それでも、ふと、こんな懐かしい写真を見つけると、音楽が個人の手に届くにはそれなりの時間と手間のあった頃を、羨ましく感じることがあります。この写真はおそらくレコード盤が大衆化される黎明期のものが殆どと思われますが、レコードを入れる袋・レコード針の缶にいたるまで音楽のもつ感情が伝わってきそうな、それぞれきれいなグラフィックで、その時代の気分がつよく表れています。

これを見ていると、あのウディー・アレンの名作「ラジオ・ディ」で、家族が居間のど真中に鎮座するラジオに釘付けになって聴いている場面に近い寛ぎの様子が浮かんできます。とっくの昔にラジオ・蓄音機は家族団欒の主役の座からは降りてしまい、今やパソコンを通して瞬時にして、好きな曲を好きな時に買い求めることが出来ますが、一曲一曲をそれは耳をそばだてて聴いていた過ぎ去った時代の豊かな時間の流れにも、捨てがたい魅力があります。

さて、最近はカントリーミュージックの世界にも新しいリズム・メロディー進行・コラボレーションが顕著となっていますが、その流れについて行けない皆さんは、WSMのアーカイブwww.wsmonline.com/onair/archives.shtml)でカントリーミュージックの懐メロを聴くのが密かな流行となっています。確かに1950年代・1960年代の曲を聴いていると、自分の将来も見えず混沌としていた頃がふと懐かしく頭のなかを過ぎると同時に、安心できる曲趣とメロディーにほっとするのです。

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2006年9月18日 (月)

CHADのおやじの日!

東急Img_4197 田園都市線・池尻大橋にある「CHAD」は本田晴規さん・堀内冬彦さんが30年以上も前からやっているお店で、金曜日ともなればフォーク・カントリー・ブルーグラスなどの音楽を人生の潤いの糧とする「お好きな方々」がお集まりになっていましたが、時の流れに逆らうことは出来ず、ここ3年ほど前より、若い方々を対象としたアコースティックバンドのライブハウスとして夜な夜な盛り上がっています。ところが、この店をこれまで支え続けたお客さんから「俺たちの行くところがない・・・!」という懇願を受け、毎月第三金曜日は、アコースティック音楽、それもブルーグラスのお好きな方々を中心の日と定めましたから、正に正真正銘おやじの解放日となります。少し前までは、皆さん、お酒もたいそう強い方ばかりでしたが、そこは昨今の生活習慣病との按配を考えつつ、結果、お店の営業にも非協力的となってしまい、お店のマスター・本田さんにはご迷惑をお掛けしています。

先週の金曜日は、某広告代理店のSB木さん・某商社、開発センターのSS木さん、某銀行関連のN宮さんと、仕事にも充実されている(私たち世代より)ぐっと若いおやじの皆さんがお集まりになり、その他、佐々木仁さん・須貝重太さんをはじめとする東京ブルーグラス界のお歴々も集結し,おまけにこの音楽ジャンルにおけるWalking Dictionary・入来重光さんも閉店間際に駆けつけると云う、久しぶりの世代を超えた濃い一夜となりました。写真のお三方は日頃も楽器の練習を怠らないとみえ、その厚みのある音色と新しいリズムも散りばめ、聴いている皆さん一堂ひどく感激いたしました。東京のブルーグラスをお好きな方々は、ほんの限られた人数でありますから、このお店のような交通の便の良い所にありますと集まりやすく、又、演奏の幕間に交わされる会話の中身も、永くひとつの音楽に集中してきた人だからこそ理解できる内容ばかりで、これらはひとつの人生哲学論でもあります。それにしても、皆さん、この手の音楽にのめり込んでいったきっかけとは、なんだったのでしょう。このへんを少しずつ、解明していくことは、ひとつの世代史・世相史の資料としてもメジャーな情報でないだけに、却って面白そうであります。

CHAD  目黒区東山3-15-14-2F           TEL 03-3710-8731
           東急田園都市線・池尻大橋駅東口を出てガソリンスタンドの先、旧道を入り一軒 目、薬局のあるビルの2階。

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2006年9月15日 (金)

1961年グランド・オール・オープリー

101_34 Copyrights : Ishizu Office

1961年10月10日、カントリーミュージックの聖地、テネシー州ナッシュビル・ライマン公会堂でのグランド・オール・オープリー(1927年から今日まで続いているカントリーミュージックの公開放送)のライブの様子です。歌っているのは1950年代から1970年代までの大スター・マーティーロビンスです。1961年頃ともなるとプレスリーをはじめとする若い世代の感性とエネルギーを盛り込んだビート主体のロックンロールサウンドが席巻して、カントリーミュージック自体も、のほほんとした片田舎の音楽から脱皮し始めた頃でしょう。写真を見てもいわゆるカントリー・ミュージシャンののお好み衣装でもある、ギンギラギンのウェスターン・スーツも見当たらず、普通のスーツです。これを見ても若い世代の都会派志向の気持ちが服装にも表れているようです。歌手のマーティー・ロビンス自身も「エルパソ」・「ホワイトスポーツコート」などのそれまでのカントリーミュージックの観念を飛び越えたセンスの曲でミリオンセラーをかっ飛ばし、トップスターの地位を不動のものとし、飛ぶ鳥を落とす勢いの絶好調の時です。ライマン公会堂のスポットライトを独り占めし、そのテンションと聴衆の羨望の眼が伝わってくるような気持ちのよい写真です。

それにしても、最近のライブステージのようなハイテクを駆使した照明や、大音量の出力装置とは程遠いのどかなステージ模様ですね。カントリー・ミュージックのほとんどが日常・身辺生活の出来事を採り上げた曲が多いだけに、舞台と観客との距離もお隣さん同士といった感覚でほどよく、音量もまだ耳を覆うほどのものではないようです。次に控えるバンドもステージの後ろに控え和気あいあいといったところですし、マーティー・ロビンスの後ろでしっかりと彼のステージパフォーマンスを見落とすまいと凝視している歌手の様子も見て取れます。どうやら、マーティー・ロビンスの歌声を聴きに来たお客で二階席もどうやら立ち見で一杯のようで、大盛況のようです。

この1960年代半ばあたりからカントリー・ミュージックもチェット・アトキンスを親方とするナッシュビル・サウンドが潮流となり、異ジャンルとのコラボレーションも加速してポピュラー音楽業界への影響力もたいへん大きくなっていきましたが、その始まる少し前頃の貴重でのどかな写真であります。

このライマン公会堂でのグランド・オール・オープリー(http://www.opry.com/)は1943年から1973年まで開かれましたが、その後紆余曲折して今ではミュージック・バレーにあるオープリーランドで開催されています。ライマン公会堂そのものは、今では大物歌手のコンサートにたまに使われたりしているだけのようですし、さらに1970年以降はナッシュビル以外にもテキサス州オースティンなど他所の州にもカントリーミュージックのメッカが登場し、また最近では若い世代を中心としたトレンドが生まれ、今ではオープリー自体そのご本尊の栄光の歴史に陰りがでてきたようです。

グランド・オール・オープリーの歴史について (http://www.demiya.net/blg/opry.html

グランド・オール・オープリーのアーカイブ放送www.wsmonline.com/onair/archives.shtml 

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2006年9月 3日 (日)

ラルフ・スタンレー、カーターファミリーを唄う

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RALPH STANLEYDistant Land to Roam: Songs of the Carter Family

Worried Man Blues/Motherless Children/Storms Are on the Ocean/I'm Thinking Tonight of My Blue Eyes/Engine 143/Waves on the Sea/ 他全13

 ラルフ・スタンレー、コロムビアからの最新第2作はギタリストのジェイムズ・アラン・シェルトン が用意したシビアな選曲のカーター・ファミリー曲集である。サントラ盤『オー・ブラザー』のT. ボーン・ハーネットをプロデューサーに、まさしく人間国宝級のラルフの渋いボーカルで本物のカー ター・ファミリーが堪能できる。カーター・ファミリーとはクリンチ・マウンテンをはさんでその北側を故郷とするラルフ、ひとやま越えれば違う文化が存在するというアパラチアの山奥、メランジオンで はないかとも言われるラルフが受け継いだ唱法と発音が見事にマッチする。バックはクリンチ・マウンテン・ボーイズ、フィドルに現在ETSUで学生に戻ったトッド・ミード他は、不動のメンバーだ。マイク・ シーガーのオートハープをゲストに迎えている。79才のラルフ、昨年夏には緊急入院などがあったが、 この5月最終週末に第36回のマクルーア・フェスを終え、今も元気にツアーをつづけている。

BOMサービス ( www.bomserv.com )

神戸のBOMサービスがお薦めのラルフ・スタンレーのCDが届いたので、早速聴きました。ますます、枯淡の境地に拍車がかかり、ブルーグラスという音楽を知らない人に聴かせれば、思わず、「これって、木遣のひとつですか・・!」と間違えられそうな、世俗の枠組みを超えてる感性です。それでも40年以上,日本のブルーグラスを支えてきた皆さんにとっては、彼のここ10年近くの冴えわたる音楽活動に拍手!ですし、それもひとえに若い世代に彼のスタイルを伝承させたいと願っている、プロデューサーの執念が素晴らしいからなのでしょう。どのCDもコンセプチュアルでノスタルジーに陥らず、若い世代のミュージシャンとのコラボレーションも秀逸です。このCDはどちらかといえば、夏場よりも秋口にぴったりの曲趣ですが、何よりも味わい深さがお好きな方々には暑い時こそお聴きいただきたい一枚であります。バックをつとめるクリンチマウンテンボーイズ、オート・ハープを奏でるマイク・シーガーもカーターファミリーに対する敬愛の心が演奏に表れ、心地よい爽やかなひと時を愉しむことが出来ます。

Ralph Stanley Museum (http://www.ralphstanleymuseum.com/ )

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2006年8月29日 (火)

箱根ブルーグラス・フェスティバル

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今年も箱根ブルーグラス・フェスティバルが先週の金・土・日の3日間、神奈川県南足柄郡の夕日の滝キャンプ場で開催されました。私も仕事の関係で3年ほどご無沙汰してましたが、今年は金曜の夜から日曜の朝まで堪能しました。もはやブルーグラス音楽をステージ演奏する以外に新しい楽器の試演奏やら、お仲間との和気あいあいとした夜を徹してのジャムセッション・酒宴・晩餐も、フェスティバルの愉しみの比重をぐっと高めてきたようです。関西・北海道方面からも若い世代の女性バンドが多数駆けつけ演奏されました。キャンプ場の森林をかいくぐって聴こえてくる女性バンドのコーラスというものは、ベテランおやじバンドとはちがった爽やかな印象を与えてくれました。

箱根ブルーグラス・フェスティバルはなんと言ってもそのロケーションが一所にこじんまりとまとまってなく、テントを張る場所も高低さがあり分散しているため、環境の広がりを感じるところが気持ちよいのです。ですから私のように、この雰囲気に浸るだけを楽しみに来る方もけっこう居るようで、数日間をまったく無の状態にギアー・チェンジする快感は独特のものです。

朝8時30分から深夜3時ころまで続くステージも最近はブルーグラスだけでなく、Img_3995_1 オールド・タイミーあり、ラグ・タイムあり、トロピカルあり、アイリッシュありと、この数年でひと昔前のブルーグラス一色からむしろアコースティックミュージック・フェスティバルの様相を呈してきて、この狭い音楽領域にも少しずつですが、時代の趨勢が確実に現れてきました。私たちがブルーグラス音楽に入門した頃は、ギターの基本コード展開としてGランニングという大基本形を習得する第一関門がありましたが、今や若い世代にはそImg_4019_1んなことを無視した新しいコード進行・音色が台頭しだしているそうですから、あと数年で従来のブルーグラスのお決まり音色は化石のような位置づけとなってしまい、おじさん世代は演奏を放棄してキャンプのお酒と美味しい料理のためにだけ来る人が圧倒的という時代が、まもなく到来するような気配を感じました。

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2006年8月 9日 (水)

ALAN JACKSONの賛美歌!

Alan_jackson_at_pentagon101_16 最近は、好きな曲を好きなときに、PCを通して一曲だけ購入するのが、流行のようです。私も娘の真似をしてやってみましたが、どうも馴染まないのです。やはり、私の世代は音楽による人生の影響が少なからずありますし、どうしてもある歌手に惚れ込んでその人の曲を徹底的に聴きこむ方達が多いように感じます。ですから昨今のように、単なる情報消耗戦のような音楽業界の傾向にも納得できずに、います。

一週間前、今日まで35年程の間、日本国内でブルーグラス・カントリー音楽を中心に原盤の輸入・情報紹介を続けられている、神戸のB.O.Mサービス(www.bomserv.com/NewsLetter/newsletter.htmlから素晴らしいDVDが届きました。歌唱力豊かな歌手が多いアメリカのカントリー・ミュージックの世界でも、ひときわその歌唱力が高く評価されているアラン・ジャクソンの賛美歌を歌ったライブ盤です。録音場所は少し前まで世界一の長寿音楽中継番組「Grand Ole Oply」が開かれていたテネシー州・ナッシュビルにある「ライマン公会堂」です。信仰心の篤いアメリカの中流以上の家庭にとって親しみのある曲ばかりを採り上げ、バックもギター・ピアノ・ベースそして男女ひとりづつのコーラスとシンプルそのものです。また、旧来のカントリーミュージックにありがちなわざとらしい派手さや、ダサさの微塵もなく、きわめてストレートに歌唱力だけで勝負しています。途中には家族のことも挿入されていますが、それがかえって彼の音楽背景を理解するのにも好都合です。

カントリー・ミュージックの世界では、これまで、エルビス・プレスリー、ジム・リーブス、ウィリー・ネルソン、ジョニー・キャッシュなどの卓越した歌唱力を伴った歌手による賛美歌が残されていますが、このDVDもこれらに引けをとらない、むしろ史上最高と云ってよいほどの仕上がりとなっています。

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2006年5月31日 (水)

朝霧高原の宴!

87991_large 先週の土日に恒例の朝霧高原ブルーグラス・フェスティバルが開かれました。今年も、あいにくの雨に祟られ、予定していた屋外ステージを、暖炉の灯も赤々とした室内に移して、Img_3208多くのバンドが登場しました。私も「FRONT LINE」というバンド名で普段から演奏を楽しんでいる仲間と4人で出演しました。曲はもう定番曲ばかりで[I Can Hear Kentucky Calling Me][Down Where The River Bend's][You're The Reason][I Wonder Where  You Are Tonight]の4曲を演奏しました。

私以外は、ブルーグラス音楽を心より愛している皆さんばかりで、ギター・バンジョーの堀内さん、フラットマンドリン・フィドルの二宮さん、ベースのフランコさんにはたいへんご協力いただき、特訓の効果があったかは分かりませんが、たいへん楽しく歌わせていただきました。

演奏を楽しむ魔力のひとつでもありますが、練習すればするほどその結果は明らかに前より向上し、メンバーとの気の交流も高まっていきます。その流れを掴むと普段表れない妙な向上心が奥底からあふれ出て、気がつけば何十年と続けることとなるようです。

又、ブルーグラス・フェスティバルに参加される方の半分以上は40代から50代で占められ、皆さん、コンサート以外でも、テントの下で美味しい料理とお酒で普段会えない同好の士と、夜を徹しての雑談とジャム・セッションが楽しみで来ているようです。

C0032583_15241881 今回のゲストとしてアメリカからレィモンド・マクレィン(www.mclains.com)さんと、マイク・スティーヴンス(www.mikestevensmusic.com)さんのお二人が素晴らしい演奏を披露してくれました。バンジョー・フィドル・ギターのスーパーピッカーであるマクレィンさん、ブルースハーモニカの最高・最速のテクニシャンであるスティーヴンスさん、その温和な人柄そのもののエンターティメントは、日頃の日本人ブルーグラスとは違う次元の音色を奏でられ、素晴らしい一晩でした。

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2006年3月25日 (土)

JIM REEVESの美声!

01_11 15歳の頃、ラジオのダイヤルを適当に動かしていたら、突然聞こえてきたラジオ関東(現・ラジオ日本)の「シティーライツ」というカントリーミュージック番組の虜になってから、ブルーグラス・ミュージックの存在を知ることとなりますが、ブルーグラスの良さが分かるようになるのは、まだだいぶ後になっての話で、はじめの頃はカントリーミュージックにのめりこんでいました。

カントリーミュージックの歌手の中で最初にファンとなったのが、ジム・リーブスです。他の多くの歌手とは違う、誠実さに満ちた艶のある美声と南部訛りのない、きちんとした発音に憧れ、歌詞を書き写しては英語のフレーズを覚えたりしていました。彼の歌った多くの曲の中でも、今ではクラシックとなった[He'll Have To Go] [Just call Me Lonesome] [Have I Told You lately That I Love You]などは真剣に何十回と聴き、丸暗記しては口ずさんでいました。

最近、タワーレコードに行くと2枚組のジム・リーブスのCDが格安価格で売られてましたので、即購入。随分と長い間聴いていませんでしたから、今日は新鮮な気持ちと、少しの懐かしさが一緒になった気分に浸っています。                       Jim Reeves [Waiting For A Train]

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2006年3月15日 (水)

輝くTAROと英之!

Img_2259 たまに六本木方面に出向くと、必ず寄る「TERRACE VIEW」でお会いする井上タローさんと、現在アメリカで活躍され、一時帰国している従兄弟の渡辺英之さんのブルーグラス・ライブが13日の夜、銀座ロッキートップでありましたので、ブルーグラス仲間のマンドリン・プレーヤー二宮さん、アスリートのアイアン・ウーマン高橋さんの3人で聴きに行きました。

普段、ブルーグラスのライブというと私と同世代の伯父さんバンドが主体ですが、この日は、ばりばりの若手二人が父上である渡辺三郎・敏夫兄弟のブルーグラスを伝道された遺伝子を引き継ぎ、それは見事な出来っぷりのステージでした。タローさんのマンドリンは緩急自在、自由度満点の弾きっぷりがソフトなブルーグラスを表現しますし、英之さんのバンジョーも単音ひとつひとつが鮮明に聞こえる、確かな技術と腕力が冴え渡り、満員の会場を魅了しました。英之さんは10年ほど前にナッシュビルに渡航以来、ジョン・ハートフォード、ケニー・ベーカー、ジョッシュ・グレーブスなどの大御所に指導を受けたり、バンドに在籍したりと、地固め・充電には申し分なく、すでに基礎力・応用力・表現力を培っています。又、バックを固めたリードギターのナベケンさん・ウッドベースの近藤友宏さんの確かで新しい感性の演奏も好感が持てました。それとなりより、ステージマナーに品格と可愛さがあり、いずれ立派なミュージシャンとして大成すること間違いなしです。

一緒に出掛けたブルーグラス初体験の高橋さんに至っては、彼らを見てブルーグラスに興味を持って頂けたようですから、それだけでもこの日のライブは大成功ですし、私もお連れした甲斐がありました。会場には若い女性も多く、あとはこれからのブルーグラスが、女性に支持されることを祈るだけです。というのも、私の若い頃(40年程前)から今日まで、ブルーグラスは女性の琴線に触れることなく来てしまいましたから・・・。

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2006年3月13日 (月)

HAWAIIは天国!

Saturdayatmakapuu1 久しぶりに私の音楽仲間である、吉田捷一さんのサイトを開いて(www.radiosetagaya.com)、インターネット・ラジオ局でハワイアン・サウンドに心地よいひと時を過ごしてました。吉田さんは、その人柄そのものの、温和で優しい選曲をハワイアンに限らず、カントリー・フォーク・ブルーグラスで採り上げています。私とは、もう10年ほど前から7年間、FM世田谷(83.4MHZ)で「大人の音楽」という番組を担当させていただきました。私と吉田さんの共通の趣味であるアコースティック音楽を地域FMでたくさん掛ける事ができ、楽しい思い出です。ばりばりのハイカーである吉田さんは、岡本町に近い瀬田にお住まいですが、時間の許す限り奥様と世田谷にとどまらず、相当遠くまで散歩を楽しまれています。大学時代は早大ワンダーフォーゲル部で健脚の誉れも高かったそうですから、どうりでお元気な筈です。

最近のハワイアンは玄人好みの地域色を強く出したものと、リズムも今風の一般に好まれるものとの、ふたつに分かれているようです。日本国内ではフラの人気も定着して、私の旧知の方もフラ教室のインストラクターですが、毎週各教室を回り、忙しいそうです。彼女の話ですと、5月7日(日)に日比谷公会堂で素晴らしいハワイアン・ミュージックとフラのコンサートがあり、若手のロパカ・カナカオレの凄い声とフラも見られる、とのことです。

もう、今から、ハワイの群青の海・沸き立つ雲・吹き抜ける風の爽やかな心地よさ・・・夏が待ちきれないですね。

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2006年3月12日 (日)

レスター・フラットはPOPSだ!

Cd01 日本国内にはしっかりした考えを、おもちのブルーグラス・ミュージック・ファンも多く、皆さん独自の好みがお決まりですから、私がうかつなことを、申すわけにもいかないでしょうが、この頃、特に「レスターフラットは気持ち良いなー!」と、つくづく思います。

私も最近、遅ればせながらiPodを購入して、手持のCDを編集し、特にロードレーサーで走りながら聴いています。一言でいうと、自転車運転中は余計な事に気をとられないことが大事ですから、そんな時はやはり耳障りでなく、レスターフラットの爽やかで伸びのあるボーカルが、心地良いのです。

レスター・フラット&アール・スクラッグス&フォギーマウンテンボーイズの名演は、CDに多く残されていますが、私にとっては、この1960年代半ばに作られた、カーターファミリーの曲をカバーしたものが一番です。何といってもあのマザー・メイベル・カーターの肉声と自演のオートハープが、優しく曲趣をまとめています。アール・スクラッグスもバンジョーよりリードギターの出番が多く、確か目黒杉野講堂のコンサートで,彼のギターを肩高く抱えて弾く独特の姿には、観客皆、酔いしれたものでした。レスター・フラットの仲間がブルーグラスの裾野を広げた貢献度は多大なものがあり、狭いブルーグラス論議より、そちらの方が大切なのです。このアルバムも裾野を広げる貢献をした筆頭に挙げられる1枚に、違いありません。

ところで、先日、マザー・メイベル・カーターの娘、ジューン・カーター役を演じた女優、リーズ・ウィザースプーンが映画「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」で、アカデミー主演女優賞を取ったのも、重ねて嬉しい話ですし、彼女の歌うカーターファミリーの曲も今風の可愛らしさがたっぷりでした。382

又、このところ日米ともに、若く・新しいブルーグラスの萌芽が見られ、この数年は、その流れを見守って行きたいところです。私は、日本ではタローさんの動きを見守っています。とりあえず、13日の銀座・ロッキートップに、タローさんと従兄弟の渡辺英之さんが奏でるブルーグラスの新しい流れと、その奏法をを見に行きましょう。

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2006年2月 4日 (土)

CURLY SECKLER

Larrysparks1 ブルーグラス・フリークの皆さまには、今さら何だ!と、怒られるでしょうが01_3、これは素晴らしいカーリー・セクラーの一枚「DOWN IN CAROLINE」です。あのフォギーマウンテンボーイズのマーキュリー時代から、この人独特のこぶしを伴ったテナーボイスが忘れられず、40年以上の年月が経ちました。1970年代のブルーグラス名盤のひとつとも云われた「SING AGAIN」もタイトルを変えて「THAT OLD BOOK OF MINE」となりベストセラーの様ですし、歌手生活60周年記念のアルバム「60YEARS OF BLUEGRASS WITH MY FRIENDS」も素晴らしい出来上がりです。今、86歳を過ぎ、2004年にはIBMA名誉の殿堂入もしましたが、老いてますます艶のある枯淡の境地に達したこの一枚は、とても聴きやすく、肩もこらず、BGMとしてもよく馴染みます。この人の人柄がそのままストレートに出たトラディショナルな趣きは、私のような人間にはぴったりですし、音楽を本当に楽しんでいる様子が聴く者に伝わってきます。ドック・ワトソン、ラリー・スパークスらの豪華ゲストや、ハーシャル・サイズモア、テーター・ティトらの名脇役による相乗効果に拠って膨らむ、トラッド感・ソリッド感が嬉しく至福の時が過ごせます。とくに今日のような寒い日には、心から温まる曲が次々と目白押しで、ありがたいことです。

www.curlyseckler.net/ からサンプル曲聴けます。

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2006年1月29日 (日)

Blue Ridge Mountainsの音が聴こえる!

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Photographed by Nobuharu Komoriya

小森谷信治さんが1974年に講談社出版サービスセンターから出版された「Blue Ridge Mts Friendly Shadows」は、写真のもつリアリズムを前面に出したブルーグラスフェスティバルの写真集でした。この時代は自然回帰志向が高まり、ブルーグラスの世界に都会の若者が注目した頃です。サムブッシュ・カンントリーガゼットをはじめとする新しいサウンドが台頭して、いつも新鮮な話題が飛び交っていました。

この頃、私もブルーグラスの虜となって、B.O.Mサービスの渡辺三郎さんを通して、新しいLPを買いまくっていました。この写真は「Ralph Stanley's Memorial Bluegrass Festival」の場面ですが、観客の風俗にこの時代の薫りを感じます。

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あっ!音楽の空気だ。

01_1 1950年、4月29日に「SATURDAY EVENING POST」誌の表紙を飾った、Norman Rockwellの油絵によるイラストレーションです。理髪店の仕事を終えたご主人が、近くの仲間達と集まってクラシック音楽でも楽しんでいる光景なのですが、じつに温かさの伝わってくるイラストレーションです。手前のストーブの火・理髪用の椅子の冷たそうな素材感のため、なおさら奥の柔らかい部屋の様子が引き立っていますし、音楽そのものが今にも聴こえてきそうです。

ブルーグラスを愛好する皆さんも、いつでもこの様な近くでぱっと集まれるような条件があればさぞ楽しいことでしょうが、なかなかそう思うようにはいきませんよね。ブルーグラスは特にアスリートミュージックである、等と云われていて毎日少しでも楽器にふれていないと、レベル維持が難しいそうです。でも今晩あたりは、日本のいたる所でジャムなどを楽しんでいる方も多いのでしょうね。

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2006年1月24日 (火)

ジョニーキャッシュ物語(Walk The Line)

I_walkthe_line0101 このプログをいつも見ていてくださるbillmonさんが、ご自身のプログにジョニーキャッシュの映画の事を書かれていました。私、縁がありまして昨年末、試写会に行ってきました。正式タイトルは「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道です。冒頭シーンからあの独特のリズムが聴こえてくるともうご機嫌です。音楽ファンには終始、興味満点の映像が続き、最後まであっという間でした。俳優の皆さんの素晴らしい演奏ぶりは、オリジナルサウンドとは若干異なりますが、それでも充分特訓を重ねた結果がよく現れ、臨場感に満ちた出来栄えです。ジョニーキャッシュの音楽性が夫婦愛の上に成り立っているというテーマの映画で、特に、男は奥さんに支えられて一人前になっていくというシナリオで終始一貫しています。この日、試写会場を出て自分の家族のことを、ふと考えさせられた日でもありました。2月18日より全国ロードショーの予定ですが、詳細は20世紀フォックスジャパンのサイトでどうぞ。又、検索エンジンで「ウォークザラインと検索されれば、この映画の正式サイトに入れます。これまでのカントリーミュージシャンの物語とは、雲泥の差がある抜群の出来栄えです。ご夫婦の方はご一緒に観賞されることを、是非お勧めします。

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2006年1月22日 (日)

タローが弾いた。

Taroh_at_tv たまにですが、六本木に必ず立ち寄るお店があります。このお店は以前、新宿ゴールデン街にあり多種多様なお客さんで繁盛していたのですが、一昨年こちらに移転しました。六本木の繁華街から少し離れたビルの3階にあるのですが、このお店自体は40年ほど経っています。店のつくりは今風の薄っぺらなものでなく、しっかりしたWOODを基調としたオリエント急行の客室をイメージした、トラッドな店です。お客さんもママのクミさんを慕っている方達で、いつも満員状態です。ここに5日ほど前に出かけ、しばし和んでいると突然タローさんがお友達と二人で現れました。タローさんは、ブルーグラスの伝道師、渡辺三郎さんの息子さんでフラットマンドリンの演奏家です。ブルーグラスにとどまることなく異分野の方とのコラボレーションを通してどんどんその創造力に拍車をかけています。隣でタローさんの紡ぐ音色を独占できた満足感は至福のひとときでした。それは又、東京の面白さを満喫した一日でもありました。

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