2009年6月 6日 (土)

英国風景 

20 048 おそらく江戸時代の掘割や大川の支流なども、このイギリス・ノーフォーク地方のような景観であったに違いありません。

イギリス人の生活のもつゆっくりとした豊かさは、経済面よりむしろ旧きものをそのまま連綿と遺し続けるジョンブル魂にその根幹があるのかも知れません。

夕暮れ時期の美しい風景は、たまらないほどの静けさを伴って迫ってきそうですし、自然の発する音以外は全く聴こえず、ひたすらボートを漕いでいる方は、自分の今後のあり方などを十二分に考えるゆとりさえありそうです。

すっかり静けさを失った東京ではありますが、最近は神田川などのボートツアーが人気だそうで、その理由が普段観られない視線からの景観であるということです。残念ながら治水護岸のために、美しい景観は期待できないものの、徐々に、昔の姿に戻ることが出来れば、それに越した事はないですね。

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2009年4月10日 (金)

昼寝も自転車の愉しみ!

Mzdtwg 1970年に大学を卒業して、ある百貨店の商品研究所に就職したものの、自転車を愛することには変わらず、会社から帰っては愛車・東叡社のランドナー(当時はクラブマンと呼んでいましたが)を磨き込んで、休みの日には走りまくっていました。それでも、学生の頃のようなガッツのある走りには縁遠くなって、どちらかといえばのんびりとポタリングを愉しんでいました。ですから距離を走ることよりも、充実した日を愉しむ嗜好が強くなり、すっかりと趣味人的傾向に傾いていき、今日にいたっています。

当時は、1960年代後半から続く高度成長期の真っ只中となってましたから、車も一気に増え、自転車で幹線道路を走るほどの度胸も無くなり、専ら裏道・抜け道専門となっていて、しょっちゅう休んでは走り・・・の繰り返しで、その上フロントバッグのラジオから聴こえてくるFENのカントリー音楽番組をBGMとする愉しみもありましたから、木陰や風通しの良い場所でコッフェルで沸かした珈琲を味わいつつ・・・というような、殆ど野外の放浪者状態だったのです・・・。

この頃、ご機嫌なヒルクライムを楽しめた多摩丘陵界隈は宅地分乗開発のエネルギーに満ちて、どんどんと地形が削られましたから、当然、足を向けることも無くなり、近場の深大寺界隈から井の頭公園あたりを春爛漫の頃に出かけるのが、お楽しみ定番ルートでありました。

春といえばこの曲のお好きな私世代も多かろうと思いますので・・・。http://www.youtube.com/watch?v=0o04EQOBqKg&feature=related

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2009年2月27日 (金)

尾根道の眺望

809_3 隅から隅まで、すっかり平均化した街並みばかりとなってしまった日本では、尾根伝いの街道町でさえ、迂回したバイパス沿いの街だけがモータリゼーションの恩恵を受け、旧街道筋などは、昔の栄華など微塵も無く、ひたすら、虚無の嵐が通り抜けるようであります。

イギリスの美しさのひとつは何といってもそのハイランドのもつ柔らかな稜線に沿った中世からの街並みが良好に保たれているからこそ薫る、その自然な姿でしょう。

安野光雅さんの描いたイギリスの田舎の風景にも、その雰囲気が良く表れていて、日本人の好みにもぴったりです。これまで4回ほど訪れたイギリスですが、ゆっくりと自転車で散策したこともなければ、ゆっくりと田舎のコーヒーハウスで、アフタヌーンティを嗜むこともなく、ただひたすら決められた日程で展示会回りをしただけでしたから、次回は、イギリスの美しい眺望を一日中、ぼんやりとしていたい・・・というだけの旅を思考中なのであります・・・。

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2008年10月14日 (火)

英国風景を観ると思いだす。

19 イギリスの田園風景に顕著なフラットなパノラマを眺めていると、この環境なら、自転車三昧の極上なひとときを味わえるな・・・、と思いますね。晩夏なのか早秋なのか、分かりませんが、落ちついた時季の姿です。ガードレールなどおいう野暮ったいものも見えず、この道をひたすら真っ直ぐ歩いていくと何処に行ってしまうのだろうと思いつつ、吸い込まれるように、どんどん行ってしまいそうです。

まだ小学校に入学前、近所のお兄さんに連れられ、久我山から調布の米軍基地まで、自転車の後ろに乗って行ったことがあり、あの時のスリリングで、未知の世界に行く感じは今も鮮明に覚えています。途中の新川・三鷹界隈の藁葺き屋根ばかりの街道筋は、全くの江戸そのままでしたし、子供にとっては何の興味もない、死んだ村でした。少しずつ基地に近づくと、見慣れない車や、横文字の看板も見え出し、それまでとは違う、明るい異次元世界に突入し出した雰囲気でした。

この、写真を観ると、ふとその頃(昭和28年)の埃っぽい人見街道・天神山通りの気配が眼に浮びます。

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2008年9月 4日 (木)

村の長老は話好き!

Kjzer 1964年頃は、天気が良ければほぼ毎週末、久我山の家を早朝飛び出しては長閑な田園風景が残されていた武蔵野方面や、ちょっと遠出気分の調布・矢野口方面を経由した読売カントリークラブ方面を自転車で駆け巡っていました。東京オリンピックの前後の時代でしたから、そこいらじゅうを大型ダンプカーが疾走していて、よほどの物好き以外は、自転車で走ることなど怖くて出来なかった状況でした。

それでも、読売カントリークラブ周辺の丘陵地帯に入り、柔らかな稜線を走りながらのヒルクライムは、イギリスのクラブマンレースもどきが味わえるため、『お好きな方々』が集まっていて、今と比較すればずいぶんとお洒落な人ばかりでありました。又、この時代はタンデムで走ることも許されていましたから、その美しいパールホワイトの輝く塗装がみごとな東叡社のフレームを観るだけでも、一見の価値がありました。当時は50000分の1の地図を見ながら、知らない道を入っていくとほとんどといってよいほど、地元の農家の庭先に迷い込んでしまうのですが、この時代、皆さん親切なお年寄りが多く、珍しい自転車を見ながら雑談をして、採れ立ての野菜の漬物とお茶でご馳走などしてくれたものでした。話はその地域の昔の話から急激に変わりだした周辺の環境までと、止め処も無く実に社会勉強としても有意義なひとときでした。今のハイテク自転車であれば久我山から多摩丘陵までたいした時間も掛からないのですが、この頃はせいぜい8段ギアでさえも最先端でしたし、トークリップに革靴といった足回りでしたからペダリング効率も最悪で、ずいぶんと途中の山坂で苦しい思いもしたのです。

今や、ひたすらタイムトライアル指向の方々ばかりとお見受けする自転車界でありますが、私をはじめポタリング志向の皆さんは、この時代に受けた町や村の長老の他愛無い日常の雑談内容が、貴重な一時代の東京郊外の景観と共に、ひとつの風俗証言ともなっていて、その話の内容がいまだに焼きついて忘れられないのでありますし、頑なにクロモリのオールディズ感覚の自転車をきちんときれいにして乗っているのです。

さて、You Tubeでカーターファミリーを検索していると、その中に、多摩丘陵を自転車で駆け回っていた頃を彷彿とさせる名曲「Keep on The Sunny Side」が出てきました・・・。http://jp.youtube.com/watch?v=ZbmQQ4RfzVE&feature=related

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2008年6月 1日 (日)

packhorse bridge

Mdsji 自転車で軽いツーリング中に、古い橋にお目にかかることなどなくなってしまった東京ですから、せめて濠の上に乗っけてしまった高速道路を何とかしろと言いたくなります。

地方に行けばまだ古い橋は残っているのかと思えば、こちらも最近の洪水の多発化の影響もあって、頑丈な橋に切り替えているようですから、この日本からどんどん情緒のある景観が消えうせるばかりであります。

Packhorse_bridgeFrank Pattersonさんのペン画で描かれたPackhorse  Bridge (荷揚げ橋)は今も人気のある橋のひとつのようで、こんな美しい橋をきちんと維持管理している英国が羨ましい限りであります。Foot Passをはじめ個人の土地の一部ながらも一般に開放するコモンセンスのある英国では、祖先の遺した景観を可能な限りそのままにしようとするDNAがあって、決して短絡的判断で祖先から受け継いだ環境を変化させようなどと思っていないところが大人の国たる所以でしょうか・・・。

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2008年4月16日 (水)

ご機嫌な宿まで、もう少し

Yhgkickiytrij_2 08650u1 フランク・パターソンさんのイラストレーションの魅力は、あたかも観る者がそこを一緒に走っているかのような、臨場感に満ちていますから、いつ観ていても飽きないどころか、最近はますます惚れこんでしまった感があります。一番シンプルなジロットペンにインクをその都度付けては描くという、最も古典的な技法で一本一本の線を疎かにしないで描かれた紀行画にはその場の空気感がしっかりと浸み込んでいますから、同じ場所を撮影した写真よりも何故かぐっと迫ってくるものがあります。

それにしても、この絵に登場しているランドナー乗りの紳士の後姿、とくに肩の線などは自転車乗りでなければ捉えられないみごとな丸みを帯びていますし、「もう今日の宿Malmshead Innまでもう少しだ・・・」という安堵の気持ちまでもが伝わってきます。

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2008年4月 6日 (日)

もうすぐ絶景?

Lkicdru 晴れた週末であればその殆どを自転車ツーリングで明け暮れていた1965年頃、杉並区の久我山から狭山湖方面に初めて向かってみました。

今となってはさほどの距離も無いのですが、高校生の頃はとても遠くに感じましたし、狭山湖という響きがとにかく遠い世界のような印象をもっていました。久我山から西荻・吉祥寺を抜け、田無から東村山辺りに来るとなんとなく不安な気持ちもしてきました。季節は新緑も眩しい4月下旬でしたから気分も爽快でぐんぐん飛ばし、気が付けば今、自分がどの辺りなのかも分からず不安が増長していきました。そしてこのFrank Pattersonさんの挿絵のような場所に出たのですが、その先がどういうところなのか分からず、かなり心配になってきましたが、自転車を押して上りきると嘘のように展望が広がり、近くの路傍にひっそりと佇む曰くありげな石碑を見ると『将軍塚』と書かれていました。由緒もまともに分かる筈もなく、そのまま尾根道を快適に下ると西武園駅近辺に出る事ができました。この経験があって自転車に最適な自分の道として度々単独で走ったり、隣のクラスメート・中村浩二君を誘って出かけたりしました。途中の茶畑など今やその名残もないのでしょうが、1965年頃はまだまだ長閑で牧歌的な景観にあふれた眺望を見渡せる場所が其処彼処に存在していました。Bgo 下の写真は将軍塚の下に降りて撮影したもので、中Sitdrt 村浩二君の撮影によるナイス・ショットであります。

さてこの場所ですが、宮崎駿監督の映画『となりのトトロ』で登場する「七国山」のモデルとなったところで、八国山緑地 http://www.tachikawaonline.jp/walk/higashimurayama.htm と呼ばれています(何故八国かといえば、上野・下野・常盤・安房・相模・駿河・信濃・甲斐が一望に見渡せたからだそうです。)又、将軍塚は鎌倉幕府追討のため、鎌倉街道を南下して久米川の戦い(1333年)に勝利した新田義貞が陣を張ったところだそうです。

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2007年11月 5日 (月)

CAPE COD の丘

6_1 Edward Hopperが1930年に描いたCape Cod界隈の丘陵は、今にも干草の薫りが届くほど、リアリティー豊かであります。

健全なアメリカを代表する画家として今もNorman Rockwellと人気を二分していますが、剛毅な感性ではEdward Hopperに軍配を挙げざるを得ないでしょう。

予備知識もなく、黙ってこの絵の前で静観していると、アメリカの中西部の風景を何のひねりも無く描いたそのストレートな感覚が気持ちよいのです。

カントリーミュージックが未だ、地方の娯楽の王座であった1950年代の片田舎の秋の夕暮れにも見て取れますし、絵画のもつ魅力とはあくまでも観る側の自由な想像を倍加させてくれるところにありそうです。

さて、この絵にぴったりのカントリーミュージックは、ずばり、ジミー・ロジャースの哀しげなトレイン・ソングか( http://www.youtube.com/watch?v=gbzc77Tz6PA )、アメリカの鉄道模型マニアの映像に載って、3曲も聴けるハンク・スノーのご機嫌なトレイン・ソング (http://www.youtube.com/watch?v=cw-4AAn1Nww )がお奨めであります。

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2007年11月 3日 (土)

薫る景観

Cibvc 自転車をただ我武者羅に走るだけの道具としてでなく、自分の生涯の徘徊の友として楽しむには、自分の漂っていたい景観イメージをしっかりと掌握しておくと、ぐっと楽しみ方に深みが生まれるというものです。

高校時代のほぼ毎週末、沼さん・有吉さんという東京サイクリング・センターで紹介していただいたお二人に、しょっちゅうお誘いいただき、若造の私はこのご両人の言うこと、為すこと、立ち振る舞いをしっかりと目に焼き付けながら、一時は兄弟のように一番後ろから必死にくっついていったのであります。

そして分かってきたことは、自転車を中心にその周り(工学・文化・風俗・趣味・地域性・・・)までも自分の守備範囲にしていかないと、たんなる自転車馬鹿でしかないという明快な事実でありました。

最近の私のブログにはFrank Pattersonさんの挿絵が頻繁に登場しますが、この挿絵のことをを教わったのも、確か有吉さんだと記憶しています。この挿絵の凄さは何といっても自転車の乗り手としても一流であったに違いないFrank Pattersonさんの、臨場感そのものであります。自転車部品その他ハードを描かせたらフランスのDaniel Rebour http://landship.sub.jp/stocktaking/archives/000661.htmlさんには一歩譲るものの、自転車と景観との関係がお互いに邪魔せずしっくりと収まっていますから、40年以上経っても私にとっては、色褪せないイラストレーションのマスター・ピースなのであります。

そして、英国人気質のむやみに新しさを求めない大人の腹の据え方こそ、自転車を通して知り得た人生観の収穫であったのです。

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